■カイカコインは、株式会社カイカが株主に対して仮想通貨を体験してもらうために発行したトークン
株式会社カイカの株主に対して配布されたカイカコインは、その後Zaifに上場し、価格が急騰しています。
仮想通貨の世界では価格が急騰する銘柄は少なくありません。しかし、カイカコインにはそれだけではない魅力もいくつかあります。
また、上場企業が発行した仮想通貨ということでも安心感があります。
一方で、カイカコインの使い道や機能については、これと言った特徴がなく、投機目的で売買されている現状もあります。
今回はカイカコインの概要、発行元の株式会社カイカについて、そしてカイカコインの将来性やリスクについて解説します。
カイカコイン(CICC)とは?
カイカコインは2016年に株式会社カイカがカウンターパーティーを利用して発行したトークンで、通貨単位はCICCです。
発行総数は3億枚で、そのうち2,400万枚ほどが株主に対して無料で配布されました。
CICCの発行枚数などの概要を確認しておきましょう。
2016年に発表されたカイカコインの概要
カイカコイン | |
---|---|
発行単位 | CICC(カイカコイン) |
発行枚数 | 300,000,000 CICC 最小取引単位:0.00000001 CICC |
発行者 | 株式会社カイカ |
配布先 | 2016年10月期期末時点の株主のうち、「CAICAコイン」の受取を希望し、所定の手続を完了した株主を対象。 |
配布の対価 | 無償 |
配布総数 | 24,741,061 CICC |
カイカ社留保分 | 275,258,939 CICC 株主に対して配布した24,741,061 CICCを発行総数300,000,000 CICCから控除した275,258,939 CICCがカイカ社留保分となります。 |
配布方法 | 株主には、2016年8月末日を目処にサービス開始を予定す るフィスコ仮想通貨取引所にて口座開設をしてもらい、同口座を通じて配布する予定。詳細は株主へ郵送にて案内。 |
取引所 | テックビューロ社の仮想通貨取引所「Zaif」、及びフィスコ仮想通貨取引所にて口座開設後、同口座を通じて取引可能。 |
CICCの特徴と言えば、カウンターパーティーを利用したトークンというぐらいでしょう。
カウンターパーティーではXCPをバーンすることで独自トークンを発行することができます。
同じくカウンターパーティーを利用したトークンには以下のようなものがあります。
■ ペペキャッシュ
■ フィスココイン
■ ネクスコイン
■ ビットクリスタルズ など・・
上記以外にもありますが、XCPはビットコインのブロックチェーンを利用しており、発行されたCICCもビットコインのブロックチェーンを利用しています。そのため、セキュリティ面や安定性に優れたトークンと言えます。
カウンターパーティーについては下のページで詳しく解説していますので参考にして下さい。
さて、CICCの発行目的は、株式会社カイカのシステム開発の可能性への挑戦と株主に仮想通貨を体験してもらうことでした。
そのため、CICCには特別な機能や特徴はなく、当初はネタコインとして考えられていました。
ところが、2017年2月にZaifに上場すると一気に注目を集め、0.5円前後だったものが、一時期100円以上になるなど、急騰銘柄として認知されるようになりました。
2017年はいわゆる草コインへの投資が盛んになったこと、金融庁のホワイトリストに入ったことなどが急騰の要因であると考えられます。
株式会社カイカって?
CICCの発行元である株式会社カイカについても少し解説しておきます。
株式会社カイカは株式会社フィスコのグループ会社の1つです。
フィスコは市場調査を通じて、投資に関するアドバイスをする会社です。
M&Aによる拡大戦略をとっており、金融関連だけでなく、旅行や農業関連の会社もグループ子会社化しています。
2015年からはフィンテック部門にも乗り出し、オンライン金融決済システムの開発を手掛けています。
カイカの歴史を簡単にまとめてみました。
カイカの歴史 | |
---|---|
1989年 | 株式会社サンジャパンとしてソフトウェア開発事業を開始 |
2003年 | ジャスダック証券取引所(現 東京証券取引所JASDAQ(スタンダード))に上場 |
2005年 | 株式会社サン・ジャパンから株式会社 SJホールディングスに商号変更 |
2015年 | 株式会社ネクスグループとの資本業務提携 子会社化 |
2017年 | 商号を株式会社SJIから株式会社カイカへと変更 |
非常に長い歴史を持ちながら、カイカとう名称はつい最近変更されたばかりであることが分かります。
SJIならば知っているけれど、カイカは知らない・・・という人もいるかもしれませんね。
カイカコインの知名度が今一つなのは、社名変更からあまり時間がたっていないということもあるのかもしれませんね。
業績や会社の信頼度
ソフトウェア開発やシステム構築では長い歴史と実績を持つ株式会社カイカは上場企業であることからも、信頼度が高い企業であることが分かります。
ネクスグループの子会社となり、フィスコのグループ会社になってからは、フィンテック分野にも参入しています。
仮想通貨の分野でもフィスコグループで発行しているトークンの開発に携わったり、Zaifの運営するテックビューロが主導するICOプラットフォームCOMSAのシステム開発にも参加しています。
信頼できる技術と歴史、実績を持つ株式会社カイカの直近の業績についても確認しておきましょう。
2016年度 | 2017年度 | 2018年度予測 | |
---|---|---|---|
売上高 | 5,337 | 5,300 | 8,762 |
営業利益 | 238 | 296 | 1,040 |
経常利益 | 131 | 728 | 1,257 |
当期利益 | 392 | 661 | 1,080 |
ここ数年の業績を見ると、非常に順調に成長しています。
※SJIから株式会社カイカになってからはさらに大きな成長をしており、フィンテック分野、仮想通貨分野で大きな存在感を発揮する企業になるかもしれません。
カイカコインの下落リスク(材料)と心配事
カイカコインの下落リスクについて、次の2点から説明していきます。
■ 株式会社カイカがカイカコインのほとんどを保有している
カイカコインについては、発行当社はネタコインとして話題になることはあっても、仮想通貨の可能性や価格上昇についてはほとんど議論されていませんでした。
そのため、仮想通貨に対する熱が冷め、実需面、機能面に注目が集まると、価格の下落を招くリスクがあります。
現在は投機的に資金が流入し、価格の上昇につながっているようですが、いつまでも続くものではないでしょう。
カイカコインのメリットである、金融庁のホワイトリストや上場企業による発行という条件を兼ね備え、かつ機能的にも優れたコインが発行されたときには、カイカコインの値段は下がってしまうことも十分ありえます。
発行総数の大半を株式会社カイカが握っている
また、カイカコインの総発行数のほとんどを発行元の株式会社カイカが保有している点にも注意が必要です。
高値を付けているタイミングで、カイカが保有するCICCを市場に売却すると、CICCの流通量が増え、価格が下がるリスクがあります。
需要が高まり、その上で、流通量を増やすのであれば問題にはなりませんが、実需のほとんど見込めないCICCにとって、流通量が増えることは、CICCの値下がりに直結する大問題です。
価格上昇が期待できる材料
逆に、カイカコインの価格上昇を見込める材料もあります。
■ カイカコインの用途の拡大が検討されている
カイカコインは現在Zaifでのみ取引されています。
株式会社フィスコが提供するフィスコ取引所もありますが、中身はZaifと同じですので、実質的にZaifのみとなります。
通常、取扱取引所が少ないことは、流動性が低いことを意味し、リスクと考えられます。
しかし、カイカコインは金融庁のホワイトリストに入っていることから、今後は国内の取引所でカイカコインを扱う取引所が増える可能性が高いです。
カイカコインの使用用途については後程詳しく説明しますが、現状ではほとんど使い道のないトークンと言って差し支えありません。
しかし、今後は株式会社カイカのサービスやグループ会社の商品やサービスの購入の決済利用が進む予定です。
注目すべきは、仮想通貨の取引に関する情報が詰まったレポートをカイカコインで購入できることです。
仮想通貨に投資して利益を上げようという人はこれからさらに増えていくでしょう。
価格上昇しそうな銘柄を探している人にとって、情報は何にも代えがたい取引ツールです。
その取引ツールを購入するためにカイカコインが必要、ということになれば、自然と値上がりしていくでしょう。
考えられる使用用途
まず、カイカコインの現状での利用方法はほとんどありません。
カイカコインで購入できるものは、フィスコグループの商品やサービスです。
具体的には以下の商品とサービスです。
・フィスコのレポート「スマートショットレポート」
・ネクスグループの「IT野菜」、「トマト」やカレー ※
・ウェブトラベルの「ハワイ旅行」
※送料もカイカコインで支払い可能
今後は、カイカやフィスコが主催するセミナーの参加料や関連会社の商品の購入にも利用できるようになるかもしれません。
ネタ的な扱いから一気に実用性を獲得したコインと言えばモナーコインが有名です。
モナーコインの知名度が上がるにつれて、モナーコイン決済が使える実店舗が増えたように、カイカコインの知名度が上がれば、カイカコインで決済できる実店舗が登場する可能性もあります。
価格推移とチャートの形状
日時 | 安値 | 高値 |
---|---|---|
2017年2月27日 リリース | 2.00 | 1000000.00 |
2017/3月 | 0.60 | 3.99 |
2017/6月 | 10.00 | 17.00 |
2017/9月 | 4.17 | 10.25 |
2017/12月 | 24.00 | 51.00 |
カイカコインも他の仮想通貨と同じようなタイミングで大きく値上がりしていることが分かります。
2017年3月下旬から仮想通貨全体が一気に値上がりしました。
カイカコインはその直前の2017年2月にリリースされていますが、わずか1~2ヶ月で0.6円から17円と30倍近く値上がりしていますね。
次に注目したいのは、中国ショックと呼ばれる2017年8月!
このタイミングでは全仮想通貨が値下がりしましたが、カイカコインも約50%値下がりしています。
その後2017年年末にも大きな波がやってきました。
12月中旬から下旬にかけて一気に値上がりし一時100円を超え。130円という高値を付けたのです。年初の0.6円から200倍以上の値上がりです。
この時期は株式会社カイカの株価をカイカコインが上回ったことで話題にもなりました。
2018年に入ると、相次ぐ規制情報、コインチェックの流出問題などで値下がりしましたが、それでも40円以上を付けており、カイカコイン人気の高さがうかがえます。
カイカの株価の推移とカイカコインとの相関関係
株式会社カイカの株価とカイカコインの価格には、はっきり言って相関関係は見られません。
これは、株価は株式市場、仮想通貨は仮想通貨市場と別々に取引されており、市場参加者の考え方や価格の上下に関わるニュースが異なるためです。
また、株式は会社の将来性に期待して購入するものです。
業績が上がれば、配当などの利益があります。しかしカイカコインには配当のようなボーナスはなく、しかも使い道も限られています。
仮想通貨全体はこれからもまだまだ値上がりしそうな予感を多くの人が持っています。
そしてカイカコインはビットコインやイーサリアムに比べると単価が低く、多くの枚数を購入しややすくなっています。
そのため、投機目的の資金が大半をしめているものと考えられます。
ザイフから購入可能。買い方を紹介します
今後の値上がりが期待されるカイカコインですが、現在はZaifとフィスコでしか取り扱われていません。Zaifの特徴については下の記事で解説しているので参考にしてください。
カイカコインを購入したい場合は、Zaifかフィスコに口座を開設する必要があります。
フィスコの取引画面はZaifのものとほとんど同じというのと、多くの人はフィスコの取引所に口座を開設していないと思うので、Zaifで購入すれば問題ないです。今回はzaifでカイカコインを買う方法を解説します。
Zaifでは、カイカコイン、つまりCICCを日本円、またはビットコインで購入することができます。分かりやすく日本円での購入方法をステップごとに見ていきましょう。
ステップ 1 Zaifにログインする
ステップ 2 ログイン後、画面上部「取引」をクリックして取引画面に移動
ステップ 3 上部「BTC/JPY」→「トークン」→「CICC/JPY」の順にクリック
ステップ 5 「1CICCの価格(購入価格)」、「買いたい量(購入量)」を入力し、「買い注文」ボタンをクリック
以上で注文は完了です。
注文が約定すれば、CICCがあなたのものになります。
ちなみに、もしビットコインでCICCを購入したい場合には、ステップ4で「CICC/BTC」を選択すればOKです。
カイカコインの売買をしたいという人はZaifの口座開設をまず済ましておきましょう。
Zaifは口座開設の申請は簡単に完了できますが、本人確認の手続きに時間がかかります。思い立ったが吉日です。早めに口座開設しておきましょう。
また、これから口座開設される方は必ず二段階認証を設定してください。すでに口座をお持ちで、二段階認証を未設定の方はすぐに設定することを強くおすすめします。
管理画面にログイン後のアカウントページから設定できます。
仮想通貨の取引はすべてが自己責任です。売買だけでなく、保管も自己責任であることをお忘れなく。
まとめ
フィンテック分野のシステム開発をしている株式会社カイカが発行したトークンがカイカコインです。
カイカコインはこれといって特別な機能はありませんが、投機目的から急騰した銘柄の1つです。
特別な機能はないと言え、上場企業による発行である点、金融庁のホワイトリストに入っていることなど、安心して取引できる銘柄であることは間違いありません。
今後はますます多くの企業や個人が独自トークンを発行する「トークンエコノミー」の到来も予想されています。
トークンエコノミーが広がる中で、先行組としてのカイカコインがどれだけの存在感を発揮できるかにも注目です。