将来性だけでなく課題を把握しておくことでリスクに対応できる
価格が暴落したと思ったら急騰し高い価値を付けているビットコイン。
円やドルなどの法定通貨とは違い、ブロックチェーンやP2Pなどの技術を活用していますが、果たしてビットコインは完璧と言えるのでしょうか。課題や弱点、リスクは存在しないのでしょうか。
ここでは、ビットコインの技術的な課題や取引時間、マイニングコストやサイドチェーンについて紹介します。
ビットコインにも技術的な課題があるまだまだ発展途上の仮想通貨
新しい概念の通貨として扱われるビットコインですが、何も課題がないわけではありません。
多くの課題・問題点を抱えています。例えば、決済における利用者保護についても決して整っているとは言えません。クレジットカードは不正使用された際にカード会社が保障や利用代金の取消を行いますが、ビットコインの場合は保障も取消もありません。
税金なども不明確な部分が多く、まだまだこれからという状態です。ビットコインにはどんな課題があるのか、技術的な課題についてここでは確認していきましょう。
対応方法の意見が2つに割れている「スケーラビリティ問題」
ブロックチェーンを用いた仮想通貨の中の代表格であるビットコイン。発行枚数や発行ルールも最初から決まっていて、非常に優れた通貨の印象がありますが課題もあります。直面している課題の1つがスケーラビリティ問題です。
ブロックチェーンは取引履歴などをブロック化して繋げていく仕組みですが、ビットコインの取引が増加していることで、現在のブロックサイズでは対応できなくなってきています。
この対応を巡っては、ブロックサイズを圧縮するか、ブロックサイズそのものを大きくするかで開発者・関係者の中でも意見が割れています。2つの派閥ができてしまっており、ハードフォークして新たなビットコインを作るいう主張も出ているような状況です。
中央管理者がいないからこそ、妥協点もなく意見もまとまっておらず未だ解決には至っていません。
取引時間はどれくらい?取引完了までの時間短縮に向けた取り組み
ビットコインを送金したり店舗で使用する場合は、取引完了にどれくらいの時間がかかるのでしょうか。
「ビットコインは取引時間がすごく短い!」「ビットコインの取引時間は長い。」などの多くの声がネット上にありますが、どちらが正しいのでしょうか。
ここでは、ビットコインの取引時間や取引時間に影響する承認作業について確認していきましょう。
ビットコインは取引完了までにどれくらい時間がかかる?
ビットコインを送金した際に、取引完了までにかかる時間はおよそ10分〜30分程度です。
場合によっては60分程度かかる場合もあります。取引時間は、どれくらい承認作業が行われるかによりますので、一概に●分と時間が決まっているわけではありません。
平均的に10〜30分ぐらいはかかるという認識は持っておいた方がいいです。
なぜ時間がかかってしまうのか?取引時間に影響する承認作業とは?
ビットコインはなぜ取引完了までに時間がかかってしまうのでしょうか。送金時のビットコインの動きもブロックチェーンで管理されており「この送金は本物なのか?ダミーではないのか?」という確認作業をブロックチェーンのシステム内で行っていきます。
この確認作業のことを「承認」作業と言い、1回の承認に10分程度の時間がかかります。ビットコインの送金先によっては1回の承認で良いところもあれば、6回の承認が必要なところもあるため、60分近く時間がかかることもあります。
承認回数が多いほど多くの確認を経ているため安全なものと考えられています。
0承認トランザクションであればビットコインの即時決済が可能
ビットコインで取引を行う場合は、最低でも10分ほどの取引時間がかかりますが、少額決済を前提に承認作業なしで即時決済できる0承認トランザクションなどもあります。
0承認トランザクションとは、まだ承認作業が終わっていない状態であってもビットコインの送金が完了したとする仕組みのことです。これにより、即時決済が可能となりますが安全面に心配も残ります。
今後もっと上がり続ける可能性があるマイニングコスト
ビットコインは、マイニングという計算競争を行って1番であれば報酬として新たなビットコインが発行され貰えます。
しかし
■ビットコインが注目されるようになりマイニングの参加者が増え競争が激化
■報酬のビットコインは4年に1度半減していく
■マイニングには高スペックなコンピュータ代金や多額の電気代がかかる
などの理由から、得られるビットコインに対してマイニングコストが高くなっており、これからもっとコストが高くなっていくとも言われています。
クラウドマイニングが増えることで起きるリスクもある
将来的にマイニングコストが高くなっていく予測があることから、クラウドマイニングというシステムが注目を集めています。クラウドマイニングとは、直接マイニングを行う当事者になるわけではなく、マイニングを行っている団体へ資金を提供してビットコインの配当を受け取る仕組みのことです。
通常、マイニングを行うには専門知識や技術、高スペックなコンピュータなどが必要となってきます。
しかしクラウドマイニングであれば、直接的にマイニングを行うわけではありませんので、高スペックコンピュータなどを揃える必要もありません。
資金提供さえ行えば、マイニングで得たビットコインの一部を提供額に応じて受け取れます。しかし、クラウドマイニングを行う団体が増えることで、マイニングへの参入障壁が高くなり、将来的には一部の団体などにマイニング作業を独占されてしまう可能性もあります。
ビットコインの良さを活かせるサイドチェーンとは?
ビットコインにはブロックチェーン以外にもサイドチェーンという技術・仕組みが活用されています。
マイニングで得た未使用のビットコインを使用不能にして、サイドチェーンに移動させビットコインにプラスの要素を組み入れたりします。なぜ、サイドチェーンもビットコインの課題の1つと言われているのでしょうか。
ここでは、サイドチェーンの内容や課題・リスクについて確認していきましょう。
ブロックチェーンから派生して構築されたサイドチェーンとは?
サイドチェーンとは、2014年にBlockstream団体によって開発を開始したブロックチェーン関連技術のことです。
ブロックチェーンとは別に、もう1つ紐付いた形で構築されたブロックチェーンのことを言います。サイドチェーンによってブロックチェーンをメインチェーンとして双方向連動させることで、さまざまな資源を効率的に利用できるようになります。
サイドチェーンはブロックチェーンから派生されるため、ブロックチェーンとは違う性質を持たせることが可能ですので、サイドチェーンによってブロックチェーンの問題点を改変させることが期待されています。
しかし、サイドチェーンの場合は、複数の暗号通貨を同時採掘するマージマイニングで対応しなければセキュリティに問題が生じるリスクがあります。
ビットコインにも課題や弱点はあるが特に心配する必要はない
いかがでしたでしょうか。ビットコインは完璧な通貨に見えて、課題や弱点はたくさんあります。
しかし、課題があるのはビットコインに限ったことではありませんので特に心配する必要はありません。こういった課題や弱点もあることを把握した上で取引を行っていくことが大切です。
多くの店舗でも決済に使えるようになり注目を集めるビットコインですが、興味がある方は、ぜひ購入を検討してみましょう!