世界には私たちの想像をはるかに上回る能力を生まれながらに持った天才が多く存在しています。
学問、スポーツ、芸術など多彩な分野で才能を開花させる「神童」達は、若くして名門大学に飛び級で進学したり類稀な作品を発表したりしながら社会の発展に寄与しています。
そんな中、仮想通貨業界でも驚くべき神童が出現し、世界中で話題となっています。
なんと、弱冠11歳の子供が57ページにも渡るビットコインのガイドブックを執筆して出版したというのです。
その子はなぜ仮想通貨の本を書こうと思ったのでしょうか。経緯をまとめてみました。
Early Bird Gets The Bitcoin(先駆者はビットコインを手にする)
出典:cnbc
今回ビットコイン関連の解説書を出版したのは、アメリカ合衆国北東部に位置しているマサチューセッツ州在住のAndrew K.Courey(アンドリュー・K・クーリー)君11歳です。
アンドリュー君は同州のウェルズリー中学校に通っている中学1年生の男子。バスケットやサッカーなどのスポーツが大好きなごく普通の少年ですが、科学技術系の投資業務に従事している父親のJeff Courey(ジェフ・クーリー)氏の影響もあって、自分でモバイルアプリの開発もこなせるほどIT系の知識に長けています。
観戦していたバスケットの試合中にいいかげんなファウルのコールを出した審判に腹を立て、審判を格付けするWebサイトを作ろうとしたこともあるそうです。
アンドリュー君と仮想通貨との出会い
アンドリュー君は金融の知識にも精通しており、仮想通貨の専門家を自称しています。
アンドリュー君がビットコインに興味を持つようになったのは2017年のこと。ビットコイン先物上場等の好材料もあって、当時ビットコインの価格が凄まじいまでの急騰を見せていました。
それを切っ掛けに仮想通貨への関心が沸き、ビットコイン投資を不労所得に活用できないかと独学で仮想通貨を研究し始めることになります。
ところがその矢先、アンドリュー君は予想外の事態に直面します。
- 本屋に行ってもろくな仮想通貨関連の書籍が無い。
- インターネット上には信用性の乏しい記事ばかりが蔓延っている。
- 投資の勧誘ばかりで自分の知りたい情報がなかなか見つけられない。
⇒これではいくら仮想通貨に興味があっても、初心者には合理的な投資が出来ない。
苦学しながら少しずつビットコインの知識を深めていったアンドリュー君は、やがて周りの人たちにビットコインの理論を説明できるようになっていました。
ちょうどその頃アンドリュー君は、Amazonの創設者であるジェフ・ベゾス氏の経営手法を綴った書籍・The Everything Store: Jeff Bezos and the Age of Amazonに触発されており、父親の薦めもあってビットコインのガイドブックを自主制作してAmazonで販売する決意を固めました。
アンドリュー君の野望
出典:amazon.co.jp
アンドリュー君が執筆した書籍のタイトルは、Early Bird Gets The Bitcoin: The Ultimate Guide To Everything About Bitcoin(先駆者はビットコインを手にする:ビットコインに関する究極の参考書)。
- 仮想通貨の歴史
- ブロックチェーン
- ウォレット
- マイニング
- ICO
- イーサリアム
- ハッキング
など、仮想通貨関連の専門用語の詳細を57ページに渡って丁寧に解説する内容になっています。
アンドリュー君は2017年の年末の休暇を利用しながら3か月かけて仮想通貨を研究し、両親の協力のもとでどうにか初版の完成にこぎ着けました。一日におよそ6時間も作業に没頭する大変な生活だったそうです。
ちなみにアンドリュー君は、18歳にしてビットコイン投資で10万ドル(およそ1,000万円)を獲得した少年・Erik Finman(エリック・フィンマン)氏に憧れており、14歳までに2,000万ドル(およそ20億円)を稼ぐという夢を達成したら中学校を退学しても良いという約束を両親と交わしています。
アンドリュー君はその計画の一環として本書の販売を実現しており、大人顔負けの行動力には本当に驚かされます。
アンドリュー君のビットコイン相場観
アンドリュー君はマスコミの取材に対し、以下のようなコメントを残しています。
「ビットコインについて知りたいと思っても、ネット上ではその情報が交錯していて分かりにくかったんだ。最初はYouTubeの動画でビットコインについて学んで、その後は色々なネット記事を参照しながら理解を深めたよ。仮想通貨に関する情報を正確に調べるには、70~80時間はかかってしまう。その点、この本を読めばわずか数十分で知りたいことを全て学べるよ。ビットコインに興味を持っている同世代の人たちに仮想通貨のテクノロジーを理解してもらうために書いたんだからね。」
どのくらいビットコインに投資しているのか?と聞かれると、
「これまでビットコインには40ドル(およそ4,000円)程度しか投資してないよ。ビットコイン投資はリスクが大きすぎると判断したから。今はAmazon とかGoogleとかの企業の株式取引しかやってないね。」
仮想通貨の解説書を執筆しておいて投資してないのかよ!
という世界中の投資家のツッコミが聞こえてきそうな回答です。(笑)
しかしアンドリュー君は、サトシ・ナカモト氏の考案したビットコインの技術は本当に素晴らしいと絶賛しています。
アンドリュー君から見たビットコインの魅力
- コンピュータ一つあれば世界中誰でも経済活動に参加することが出来る。
- 富裕層も貧困層も関係なく仮想通貨を利用できるチャンスが与えられる。
- 法定通貨より高いセキュリティを実現できる可能性を秘めている。
なお、Amazonは現在ビットコイン決済に対応していないため、ビットコインではビットコインの解説書を購入できないという皮肉的な状況になっています。
片や母親のAlicia(アリシア)さんは
「仮想通貨って複雑すぎてよく分からないわ。普通の紙幣で商品を買えるんだからそれでいいじゃない。」
と愚痴をもらし、近所の玩具屋でも本書を販売してもらえないか交渉しているそうです。
「蛙の子は蛙」ということわざがありますが、アンドリュー君のご両親も息子さんに勝るとも劣らぬユニークさを持ち合わせたコミカルな一家という印象を受けます。
Early Bird Gets The Bitcoinを読んでみた感想
全部で57ページという分量は、空き時間を利用して読む本としてちょうど良いボリュームのように感じられました。
中学1年生が書いただけあって非常に平易な英文で記述されており、読みやすくて分かりやすい解説書に仕上がっています。
- ブロックチェーンは、売買取引によってのみ編集可能なGoogleドキュメントのようなもの。
- 仮想通貨のウォレットは、所有者だけがキーを持っているメールボックスみたいなもの。誰でも送信できるがキーを持っている人しかアクセスできない。
といった具体例を交えながら仮想通貨の技術を丁寧に解説しているため、初心者でも安心して読み進めることができます。
仮想通貨への投資を煽る誇大広告と違い、ビットコインの長所だけでなく短所もしっかり平等に記述しているのが印象的。ビットコインのマイニングは電力を使い過ぎだというシニカルなこともきちんと書いていて、思わずクスッと笑ってしまうことでしょう。
仮想通貨のガイドブックとしてはもちろんのこと、英語の学習教材としても非常に役に立つ一冊だと思いました。
海外のネットユーザーの反応
- スゲーな、この坊や!
- 今度はアルトコインの解説書も書いてくれよ!
- 子供だけでなく大人が読んでも役に立つ書籍だよ。ありがとう、アンドリュー。
- どうせ父親が書いたんだろ。
- さっそくAmazonで「ほしい物リスト」に追加したよ!
- 最近の子供は賢いな。ハーバード大学入り間違いなしだね。
まとめ
「天才とは1%の才能と99%の努力である」というアインシュタインの有名な名言がありますが、世界の神童たちを見ていると否応なく凡人の限界を思い知らされてしまいます。(笑)
いまだに仮想通貨は詐欺だのインチキだのと騒いでいる人たちが多い中、ビットコインの理論をきちんと把握し分かりやすく解説しているアンドリュー君の知性には頭が下がります。私たち大人も彼の姿勢を見習うべきでしょう。
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