お店で品物を購入する時には、ほぼ確実に消費税が発生します。
現時点では税率が8%と設定されていますから、購入時にはその税金は必ず払う事になるのです。したがって100円の商品を購入するなら、8%という税金を払う事になります。
それは仮想通貨も例外ではありませんでした。
しかし今後は違います。仮想通貨では消費税が発生しなくなったからです。
7月から仮想通貨に係る消費税が非課税対象になる
仮想通貨に関するルールは、つい最近変更になっています。
というのもその商品に対する法律が、最近になって変更されたのです。
確かに仮想通貨を購入する時にも、消費税を払うルールにはなっていました。ところが様々な見直しが行われた結果、そのコインに関する取引を行う時には、消費税が発生しないというルールに変更されたのです。
ちなみに適用日は7月1日以降になります。ですから7月以降にコインで何らかの取引を行ったとしても、消費税が発生する事はありません。
あくまでも非課税扱いになったからです。
現にある仮想通貨の取り扱い会社としても、それに合わせてルールの変更を行っています。
7月以降に取引を行った時には、その取引上では消費税は発生しないと公式で明示されているのです。
それに伴い、購入時に表記されている数字も、税込みではなくなります。
例えばコインを購入する時の価格が、最新レートで30万円と明示されているとします。7月以降に購入する際には、それは税込み価格ではありません。
税抜きの価格になっていて、別途で消費税が徴収される訳でもないのです。
ですから24,000円という消費税などは、上記の取引では発生しないことになります。
7月以降からは、そういうシステムで取引を行うというルールに変更された訳です。
実は仮想通貨には消費税がかかっていた
ビットコインは商品を購入する目的や投資目的などで利用される事もありますが、実は二重で消費税を払っていたのです。
例えばビットコインを用いて、洋服を購入するとします。
コインを手元に購入する為に、消費税を払う事になります。
それだけでなく、洋服を購入する時にも消費税を払う事になるのです。コインを使わずに現金で洋服を購入する時にも、消費税は発生するでしょう。
それと同じく、コインで洋服を購入する時にも消費税を払う訳です。
ですから6月いっぱいまでは、2回に渡って消費税を支払うルールになっている訳です。ですが7月以降からは、そのルールも撤廃される事になるのです。
仮想通貨が非課税になることのメリットはあるのか?
2017年7月以降仮想通貨が消費税非課税となることで、今までは仮想通貨の購入は消費税法上課税取引とされ8%の消費税がかかっていたものが、小切手や電子マネー・商品券と同じように決済手段の一つという考えで非課税となり、消費税がかからなくなることで購入価格が安くなるという大きなメリットがあります。
外貨預金に近い感じになると考えていただいたらわかりやすいと思います。
外貨預金は日本円で外貨を買いその外貨を口座で預金していることになりますが、外貨を買うこと自体消費税は係りません。
それと同様になるということです。
ただし、購入に対する手数料は従来通り課税取引になります。
また、従来でしたら仮想通貨の購入の際に8%の消費税を払い、さらに物の購入の際にはまた8%の消費税を含めた金額で決済していたものが、モノの購入の際の8%だけになるということです。
仮想通貨購入時と利用時の二重課税の状況が解消されます。
そのことにより、今まで保有していなかった人たちが決済手段の一つとして利用していくことが考えられます。
また仮想通貨の保有者の増加に伴い、決済を導入する店舗もそれと比例するように増えていくことも現時点でも予想がつきます。
国内での取引のほか海外との取引も手数料を比較し仮想通貨での決済のほうが割安になっているため、仮想通貨による決済を導入した店舗も今後は販売先を海外にも広げられるという大きなメリットがあります。
仮想通貨が非課税になることで追加されるものとは?
2017年7月以降、仮想通貨が消費税非課税で購入できるということは、営利目的で保有し売却した時の利益に係る所得税が従来に比べ増加になると考えられます。
売却益は、売買代金から購入代金および購入手数料を差し引いた額となりますが、消費税が非課税になることによりその購入価格が低くなるためです。
現時点では、仮想通貨の売買は「モノ」の売買ととらえられており、大半は譲渡所得として課税され、全体の譲渡所得から50万円の特別控除を差し引いた額に対して課税されます。
ただし、営利目的で何度もトレードを行い利益を得ている場合は、雑所得または事業所得として譲渡所得の50万円の特別控除は使えないので注意が必要です。
また、消費税とは日本居住者にかかる税金であるため、非居住者に対しては消費税が課されないことから、非居住者に対しては「売却追加手数料」「購入売却手数料」という形で徴収していたものが撤廃されることになります。
ただし、滞納税金などにより「特別追加手数料」という形で追加徴収させる場合もありますので、7月を堺に大きくかわります。
また消費税の申告においても、従来でしたら仮想通貨の譲渡は「課税売上」となっていたものが「非課税売上」となり、仮想通貨の取得は「課税仕入」が「非課税仕入」となります。
世界から取り残されていた感があった日本ですが今回の消費税の取扱など税制的にも、また流通量の増加が期待されることなどから、今後は世界に近づけるようになります。
まとめ
仮想通貨の取引は、現在まで消費税がかかっていました。
ですが、7月以降になれば非課税取引が可能になり、ますます仮想通貨の利便性が上がります。
今までは消費税の計算や、税抜き税込みなどのことを考えなければいけませんでしたがこれからはそうではありません。
どちらかと言えば外貨取引に似たような形になり、今まで以上に仮想通貨を利用した取引が世界と同じように増えてくるでしょう。
仮想通貨を利用して取引をしていたのであれば、消費税が減ったことによる所得税増加のことなども考えておく必要があります。
もちろん多量の取引をしている場合に限られますが、今後は消費税の申告なども変わってきます。今までは課税売上として申告していたものが非課税売上になるため、注意をしておかなければなりません。
仮想通貨は多くの人が使いやすいように進化をしています。消費税と言う概念は日本国内に居住している人だけに対応するものでしたが、今後はそのようなややこしい考えがなくなることで日本国内での大幅な取引の活発化も予想されます。
これからは流通量も増えることが考えられますので、仮想通貨を取引していた人たちは今後の動向について考えておく必要もあるでしょう。