FX取引ではおなじみのレバレッジ取引。小さな資金でも大きな取引ができることから多くの人がレバレッジ取引を行っています。
レバレッジ取引のメリットは何といっても利益が大きくとれることです。
半面、損をした時の損も大きくなるのがデメリットです。また、含み損が大きくなると強制ロスカットされ保有していたポジションが決済されてしまうこともあります。
仮想通貨の取引でもレバレッジ取引ができます。もちろん強制ロスカットのシステムもあるのですが、業者によってロスカット比率が大きく異なっています。
今回はロスカット比率の面から国内の主要な仮想通貨取引所を比較します。
- 必要証拠金
- ロスカット基準
を比べてみました。少額で大きな取引ができるため、利益が大きくなる半面損失も大きくなります。
損失が大きく膨らんだ時に執行されるのが強制ロスカットです。
業者名 | 必要証拠金 | ロスカット基準 |
---|---|---|
ビットバンク | 取引額の5% | 証拠金維持率20%未満 |
Zaif | 取引額の4% | 証拠金維持率30%未満 |
coincheck | 取引額の20% | 証拠金維持率50%未満 |
bitflyer | 取引額の10% | 証拠金維持率50%未満 |
GMOコイン | 取引額の20% | 証拠金維持率75%未満 |
BITPoint | 取引額の4% | 証拠金維持率100%未満 |
BTCBOX | 取引額の33% | 証拠金維持率110%未満 |
kraken | 取引額の5% | 証拠金維持率20%未満 |
みんなのビットコイン | 取引額の4% | 証拠金維持率110%未満 |
ビットトレード | - | - |
Liquid by QUOINE | 取引額の4% | 証拠金維持率110%未満 |
まずはこの強制ロスカットについて詳しく見ていきます。
強制ロスカットが実施されるレバレッジ取引について簡単に確認
強制ロスカットは証拠金によるレバレッジ取引で行われる制度です。
例えば口座の10万円をレバレッジ10倍で取引するとしましょう。この場合10万円×10倍で100万円分の取引が可能です。
もしここで仮想通貨の価格が10%動いたとします。そうすると利益になった場合には10万円の利益が出て資金が2倍になります。
損をする場合も10万円の損となります。10万円の資金か10万円の損がでるとどうなりますか。資金がなくなってしまいますね。もっと大きく値が動いた場合は10万円を失うどころか借金を背負ってしまうことにもなります。
このような大損や思いもよらない借金を防ぐための制度が強制ロスカットです。
強制ロスカットでは含み損が証拠金の一定割合を超えると強制的にポジションを決済し、損が確定することになります。
例えば含み損が証拠金の80%を超えるとロスカットされる場合には、8%動いて含み損が8万円になったときロスカットされます。この場合、口座には10万円-8万円で2万円が残ることになります。このように強制ロスカットの制度は投資家の資金を思わぬ損失から守る制度です。
強制ロスカットが行われるタイミングや基準は業者によって異なる
強制ロスカットは含み損が口座の金額の一定割合を超えた時に執行される制度で、投資家を大きな損失から守る役割を持っています。
この強制ロスカットが行われる一定割合というのは業者によって違います。言い換えると業者によって強制ロスカットになりやすかったりなりにくかったりするということです。
強制ロスカットが行われるタイミングのことをロスカット基準といいます。
ロスカット基準は「口座の資金」と「含み損」(この2つの合計を有効証拠金といいます)、「取引に使っている資金(取引証拠金)」から求める証拠金維持率で決まっています。
強制ロスカットの基準になる証拠金維持率の計算方法と具体例。
証拠金維持率を式で表すと、次のようになります。
証拠金維持率=有効証拠金(口座の資産―含み損)÷取引証拠金×100
式だけでは分かりにくいので具体的な数字を使って考えてみます。
レバレッジ10倍で口座に10万円を入金しそのうち5万円を使い50万円分のビットコインを購入したとします。
このじてんでの証拠金維持率は10÷5×100で200%となります。
もし50万円分のビットコインが45万円になってしまい含み損を5万円かかえるとどうでしょうか。計算すると(10-5)÷5×100で100%となります。
証拠金維持率が100%だから大丈夫ということはありません。業者の中にはロスカット基準を証拠金維持率100%以下になった時と設定しているところもあるからです。
強制ロスカットしやすい、強制ロスカットしにくいそれぞれのメリットデメリット
強制ロスカットは大きな損失から投資家を守るための制度です。
ですから強制ロスカットしやすいとうことはそれだけ大きな損失を出しにくいとうことを意味します。逆に強制ロスカットしやすい業者では大きな損失を出しやすくなります。
逆の考え方もできます。強制ロスカットしやすいということは、いったん沈んで再浮上するとう値動きで利益をだそうという強気の取引がしにくくなるということです。あ
る程度の含み損を我慢しながら再浮上して高値で売り切るという作戦が使えません。その点強制ロスカットしにくい業者では、ギリギリまでチャートの反転を待つことができるようになります。
強制ロスカット基準から仮想通貨取引所を比較 ランキングTOP3
強制ロスカット基準は高ければいいというものでもありませんし、低ければいいというものでもありません。
レバレッジ率とのバランスも考える必要があります。場合によってはレバレッジ倍率が高い方がロスカットしにくい場合もあります。
ただし、今回は攻めの姿勢で仮想通貨取引をする人のために強制ロスカットしにくい業者の中からTOP3を選びます。
3位 zaifは最大25倍のレバレッジが使えて証拠金維持率も30%と低め
3位にランクインしたのはzaifです。zaifの特徴はレバレッジが最大25倍まで使えることです。
4万円で100万円分の取引が可能なので、少額からでも大きく利益を伸ばすことが可能です。レバレッジ率が高い業者はロスカットしやすい傾向にありますがzaifでは30%未満でロスカットとなります。
①口座の資産10万円 50万円分の仮想通貨を持っている場合
9万4,000円の含み損でロスカット、6,000円残る
②口座の資産20万円 100万円分の仮想通貨を持っている場合
18万8,000円の含み損でロスカット、1万2,000円残る
③口座の資産20万円 50万円分の仮想通貨を持っている場合
19万4,000円の含み損でロスカット、6,000円残る
少額からの投資で最後まで攻めの姿勢を貫ける制度が整えられているzaifがロスカット率比較の3位です。
2位 krakenは海外の業者だけにレバレッジ取引に対して積極的
krakenはレバレッジが20倍、証拠金維持率20%未満でロスカットとなっています。海外の業者ではレバレッジ率が非常に高く、ロスカット率も低く設定されている業者が多いのでkrakenもそのような設定になっています。
①口座の資産10万円 50万円分の仮想通貨を持っている場合
9.5万円の含み損でロスカット、5000円が残る
②口座の資産20万円 100万円分の仮想通貨を持っている場合
19万円の含み損でロスカット、10,000円が残る
③口座の資産20万円 50万円分の仮想通貨を持っている場合
19万5000円含み損でロスカット、5000円が残る
10万円で50万円分の取引をする場合には資金が底をつくぎりぎりの9万5,000円分の含み損まで我慢することができます。ここまでぎりぎりを攻めることができれば2位も納得です。
1位 ビットバンク
堂々の1位はビットバンクです。レバレッジが20倍、証拠金維持率は20%までロスカットされません。
その点では2位と同じなのですが、それ以外にもビットバンクには優れた点があります。それは追証の存在です。ビットバンクは追証なしで取引できるため決して借金になることはありません。
①口座の資産10万円 50万円分の仮想通貨を持っている場合
9.5万円の含み損でロスカット、5000円が残る
②口座の資産20万円 100万円分の仮想通貨を持っている場合
19万円の含み損でロスカット、10,000円が残る
③口座の資産20万円 50万円分の仮想通貨を持っている場合
19万5000円含み損でロスカット、5000円が残る
大きく値が動く相場の場合、ロスカット基準になってすぐにポジションを決済してもそのタイムラグの間に損失がさらに膨らむ場合があります。場合によっては口座の金額でを上回る損失になりその際に追証が求められます。
ビットバンクには追証の制度がないのでどれだけ損をしても口座残高がマイナスにはならないのです。
強制ロスカット率で仮想通貨取引業者を比較してみた結果
強制ロスカット率で仮想通貨取引業者を比較してきました。
今回はロスカット率の低い業者を特にピックアップしましたが、ロスカット率が低くぎりぎりまで我慢できることが常にいいとは限りません。大きく乱高下する相場の際には思いもよらない大損害を被ることもあるからです。その点ではロスカット率だけでなく、追証制度の有無も確認しておくといいでしょう。
ロスカット率は業者によってそれぞれ設定されています。自分の投資スタイル、相場の様子を見て適切に判断できるようにしたいですね。