日本時間2017年12月24日、日本人の久積篤史氏がCEOを務めているアメリカのITベンチャー企業・エクストラバガンザインターナショナル社(EXTRAVAGANZA INTERNATIONAL, INC.)が、世界各国の市場をターゲットとした「PATRON ICO」を実施するために特設チームを立ち上げました。
日本国内でも「COMSA」が100億円規模のICOを成功させたのを皮切りにICOへの関心が飛躍的に高まっており、先日も人工知能(AI)間の取引事業を展開しているシンギュラリティネットのICO・AGIトークンがわずか1分間で約40億円の調達に成功し話題となりました。
はたして、エクストラバガンザインターナショナル社のICOはどのくらい投資家からの関心を集めるでしょうか?詳細を見ていきましょう。
ICOとは?
ICOはInitial Coin Offeringの略で、日本語では「新規仮想通貨公開」と訳されます。資金調達を目指している企業・団体が独自の仮想通貨を発行し、それを投資家に販売することで資金調達を実現する手法です。
企業側のICOのメリット
- 証券取引所の厳格な審査をパスする必要がなく、与信能力の乏しいスタートアップ企業でも迅速かつグローバルな規模で資金調達を行える
- 株式のように議決権や配当・利子支払いなど事業展開を圧迫するような煩わしい要素が一切無い
- 投資家とダイレクトな売買を実施するため、上場コストがかからない
投資家側のICOのメリット
- 手数料無しで少額からの投資に対応している
- 仮想通貨を同社のサービスに使ったりインターネット上で自由に転売(短期売り抜け)できたりする利便性がある
- 会社の事業規模が拡大すれば、将来的に莫大な利益を生む可能性がある
このように、ICOは新規株式を発行して資金を調達するIPOと似てはいますが全くの別物。どちらかと言えば、クラウドファンディングに近い存在です。金融とITが融合した「フィンテック」時代に即した将来性の高い資金調達手段であり、今後投資業界の主流になっていくと予想されています。
エクストラバガンザインターナショナル社について
エクストラバガンザインターナショナル社(EXTRAVAGANZA INTERNATIONAL, INC.)は、2017年2月に米国のデラウェア州で創業したIT企業です。デジタルマーケティングを対象としたソフトウェア開発を行っています。ちなみに”EXTRAVAGANZA“とは日本語で「既存の型にとらわれない自由で奇抜なもの」という意味の言葉で、世界の最先端の新分野にどんどん挑戦していこうという同社のフロンティアスピリッツを表しています。
CEOを務めているのは、日本人の久積篤史氏。弱冠20代の若さで六本木ヒルズを拠点に数十億円規模の年収を叩き出していたことで知られる「ネオヒルズ族」の一人で、情報商材を取り扱うソーシャルブランド株式会社の代表でもあります。
10人程度の少数精鋭をモットーに掲げ、SEやWebデザイナーを中心としたソーシャルメディアマーケティングのプロフェッショナルによってメンバーを構成。社内でオンライン出勤制度を導入しており、インターネットを活用した自由な職場環境を構築しているのが特徴的です。
→EXTRAVAGANZA INTERNATIONALのホームページ
人気YouTuberなどのインフルエンサーを起用したマーケティング支援事業を展開
同社は、インフルエンサーに関連するWebアプリケーションの開発や企業へのマーケティング支援事業をメインに展開しています。
ちなみに「インフルエンサー(influencer)」とは、世間に大きな影響を及ぼすことのできる有名人を指す言葉で、他の消費者の購買意思決定を左右するキーパーソンを指すマーケティング用語でもあります。
一昔前までテレビや雑誌のCM・宣伝広告に起用される人物は、大手事務所に所属している人気の芸能人やスポーツ選手などが主流でした。しかしインターネットの普及によりYouTuberやInstagramorなどSNS上で活躍している一般人も世間に大きな影響を与えられるようになり、YouTuberのマネジメント業を行っているUUUM(ウーム)株式会社最高顧問のHIKAKIN(ヒカキン)氏を筆頭に多くのインフルエンサーが企業・団体の広告塔として重宝される時代になりました。
そこで同社は、インフルエンサーを起用したマーケティング戦略支援事業に着手。インフルエンサーを目指しているSNSユーザーやSNS経由の集客を企図している団体を対象としたファン自動獲得支援サービス「Fansta」や、世界中のインフルエンサー向けSNSメディアシェアリングエコノミープラットフォーム「PATRON」等のサービスを運営しています。
設立から間もない時期にブロックチェーン関連事業も開始。ロシアのICO支援プラットフォーム「KICKICO」と業務提携契約を締結しており、1か月間に40社以上もの海外企業からICOマーケティングに関する支援要請を受けるほどの注目度を誇っています。
ICOの目的とパトロンコイン(PAT)について
エクストラバガンザインターナショナル社は今回のICOで、仮想通貨「PATRON COIN(PAT:パトロンコイン)」を発行します。パトロンコインは同社提供サービスPATRON内で使用される通貨であり、イーサリアムブロックチェーンに基づいて設計されています。
インフルエンサーの売却買収&PR顧問契約シェアサービス「M&A Influencer」により、有力なインフルエンサーと広告宣伝塔・PRアンバサダーの月額顧問契約を締結することが可能。その際、コミュニティー・マーケットプレイス上で、インフルエンサーとクライアントとの契約・取引は全てPATを用いて行われます。
仮想通貨PATを活用したスマートコントラクトにより、クライアントの宣伝広告コスト軽減・インフルエンサーの所得向上という二つのメリットを実現。PATは広告業界にとって理想的な仮想通貨であり、将来的な値上がりを期待できます。
総発行数4億のうち、今回のプレミアムセールで2400万のパトロンコインを分配予定です。現在、1PAT=8~14¢(およそ10円前後)のレート。今後のICO日程は以下の通りです。
スケジュール | Softcap (目標下限金額) |
Hardcap (発行上限金額) |
---|---|---|
12/25~12/31 (プレミアムセール) |
xxxx | xxxx |
1/15~2/14 (プレICO) |
1,000,000USD | 5,000,000USD |
2/20~3/19 (ICO) |
4,000,000USD | 35,000,000USD |
ICOで調達した資金は、以下の目的で活用される予定です。
- PATRONのサービス向上
- プラットフォーム・アプリケーション開発
- パトロン株式会社および撮影スタジオ・ワーキングスペース等の設立費・人件費
パトロンコイン(PAT)のICOに参加する手順
パトロンコインを購入したい方は、以下の手順を行ってください。
- PATRON ICOのページの最下部にある"GET TOKEN"のリンクをクリック。
- 自分の名前、メールアドレス、パスワード、および予定投資額を記入して、"I accept terms and conditions(契約条件に同意します)"と"I am not a US or the P.R.C citizen(アメリカや中国の市民ではありません)"のチェックボックスをオンにして"SIGN UP"ボタンをクリック。
- メッセージが表示されたら、メールボックスをチェック。
- 送信されてきたメールに記載されているURLをクリック。
- 認証に成功しました。
- メールアドレスとパスワードを入力して"SIGN IN"をクリック。
- "My Dashboard"の"BUY PAT"をクリック。
- 欲しいPAT数を入力し、任意の仮想通貨で決済。(50%分がボーナスとして無料進呈されます。)
- なお、イーサリアムの場合ダイレクトにコントラクトアドレスに送金できないので、その場合は秘密鍵の付いたERC20対応のMy ETHER WALLET等から送金しましょう。
よく分からない時や詳しく話を聞きたい時は、PATRON ICOのページのチャットを使うか、または以下のリンクからSkypeミーティングの予約をとりましょう。
任意の日付と時間帯を指定し、氏名・メールアドレス・Skype IDもしくはFacebookアカウントを記入して「確認」ボタンを押してください。
なお、ICOは会社と投資家間のダイレクトな売買取引であり、事業の将来性や安全性は自分自身で確認しなければなりません。発行されたトークンが大幅に下落したり無価値になったりする可能性もあり、その際には一切投資金が返金されないというデメリットがあります。十分にICOのリスクを理解したうえで購入を検討してください。
まとめ
なかなか強気のハードキャップ設定ですが、SNSのインフルエンサーを活用したマーケティング戦略支援事業には非常に興味を引かれます。YouTubeの広告収入が年々引き下げられている昨今、大物YouTuberがPATRON等のサービスを活用する展開も大いに考えられ、将来性を感じます。
エクストラバガンザインターナショナル社はICOのプレミアムセール後、2018年1月からPATRONのWebバージョンを正式リリース、4月にはPATRONの日本・アメリカ事務所設立も予定しており、グローバルな事業展開を期待できます。
昔いろいろあったため同社CEOの久積篤史氏に対する悪評も少なくありませんが……、過去は過去です。個人的には、「シリコンバレーに日の丸を掲げる」というミッションのもと、本家アメリカのIT企業群から認められて買収オファーを貰えるような会社を目指したいという目標に感動を覚えます。アルトコイン・IOTA(アイオータ)創業のDavid A. Cohen等の錚々たるメンバーもプロジェクトに参画しており、信頼性は申し分ありません。投資家はもっと未来に目を向けるべきでしょう。
興味のある方は、エクストラバガンザインターナショナル社のICOに参加してみてはいかがでしょうか。