仮想通貨を取り巻く状況が変化する中、分散型取引所(DEX)へのシフトが進みつつあります!
今回ご紹介する0xは、その分散型取引所を設立するためのプロジェクトです。
分散型取引所は、コインチェックやビットフライヤーなどが運営する取引所とは異なり、運営会社が存在せず、売りたい人と買いたい人が直接取引することのできる仕組みです。
0xはこの仕組みを提供してくれるプロトコルとしてプロジェクトをスタートさせています。
今後、分散型取引所へのシフトが進むにつれ、0xプロジェクトはますます存在感を増すことになり、価格上昇にもつながるのではないかと、注目されている銘柄の1つです。
ゼロエックス(ZRX)とは
0xは分散型取引所を提供するプロトコルですが、0xが提供する分散型取引所での手数料として機能するのがZRXという仮想通貨です。
0xとZRXの関係は以下の種類の関係性と似ています。
■イーサリアムとETH
■オーガーとREP
■NEMとXEM
ETH、REP、XEMはそれぞれイーサリアム、オーガー、NEMといったプラットフォーム上の基軸通貨として機能しています。同じように、ZRXは0xプロトコル上での基軸通貨として使用されます。
本記事では、この定義にのっとり、プロトコルとしての0xと利用料としてのZRXを区別します。
厳密には価格が付いているのはZRXですが、一般的に0xと呼ばれているためです。
さて、ここからは0xの概要を確認してみましょう。
ゼロエックスの概要
ゼロエックス | |
---|---|
発行単位 | 0x(ZRX) |
呼称 | ゼロエックス(ゼットアールエックス) |
発行日時 | 2017年 |
発行可能総数 | 10億ZRX |
価格決定方法 | 保有者間による自由売買 |
公式サイト | https://0xproject.com/ |
ホワイトペーパー | https://0xproject.com/pdfs/0x_white_paper.pdf |
取引所 | バイナンス |
0xは2017年に公開された分散型取引所設立のためのプロトコルです。
開発資金を調達するため10億枚のZRXが発行されています。
発行された10億ZRXのうち10%は開発者に配布されましたが、4年間のロックアップ期間があります。
4年間は保有のZRXを売却したり譲渡できないということです。
0xの公開は2017年8月11日ですが、8月9日~11日まではプレセールの告知が行われました。
プレセールは8月15日の1日のみで、事前に登録した人のみが参加できるものでした。
プレセールが終わると、翌16日には市場取引が開始されました。
現在はバイナンスをはじめとして以下での売買が可能!
・ Liqui
・ Huobi
・ Hitbtc
・ Mercatox
・ Ether delta
・ Gate
・ Livecoin
・ Gatecoin
特徴的なのは、分散型取引所として知名度の高いEther deltaでの取り扱いがあることです。
分散型取引所の今後の動きを左右するカギになるかもしれませんね。
次に、0xの持つ特徴や0xプロトコルが提供するDEXとはどのようなものなのか、確認していきます。
0xプロトコルがDEX(分散型取引所)設立のためのプロトコルを提供
0xに組み込まれているプロトコルを利用すると、分散型取引所を設立することが可能になります。
これは、0xが作り出す流動性のプールを共有することで実現されます。
流動性のプールとはなにかというと、売買注文をいろんなところから集めてくる仕組み、と言えば分かりやすいでしょう。
注文を集めてくる人たちのことをRelayerと呼びます。
これにより、仮想通貨の流動性が確保され、スムーズな取引が可能になります。
Relayerは注文を集める代わりに手数料としてZRXを受け取ることになります。
0xでは0xプロトコルを利用したDEXに接続することで手数料収入を得られるということになります。これは、これまでのDEXにはない発想で、大きな差別化になっています。
イーサリアム基盤の資産を容易に交換可能
0xプロトコルを利用したDEXではイーサリアム基盤のERC20トークンを交換することが可能です。
イーサリアムベースのトークンであるERC20トークンは2017年から急激にその数を増やしています。
その結果、異なるERC20トークンを利用する利用者が増え、結果的に分散し、相互作用しにくい環境になってしまっています。
分かりやすく言うと、トークン同士を交換するために一度ETHを介す必要があるということです。
0xプロトコルはこの問題を解決するために、ERC20トークン同士を直接交換できる仕組みを提供しています。
また、この交換はオフチェーンで行われるためイーサリアムのブロックチェーンが膨張することを防ぐと同時に、ガスコストを大幅に削減します。
その他に、0xプロトコルを使用したDEXの特徴としてトラストレスであることが上げられます。
イーサリアム基盤のデジタルアセットであるERC20を直接交換する際、もし個人同士であれば、こちらからの送金を持ち逃げされる、という恐れもあります。
しかし、0xプロトコルであればこのようなカウンターパーティーリスクは存在しません。
0xは分散型でトラストレスであるため、ハッキングや持ち逃げ、国家による規制の対象となる組織が存在していません。
0xは公共インフラ構造として、世界中の利用者による、利用者のための取引所を提供しているのです。
現状考えられる使用用途
0xプロトコルで使用されるZRXはRelayerに手数料として支払われます。
0xはオープンソースであるため、カウンターパーティーと直接取引することは可能です。
この場合、流動性が確保されなかったり、カウンターパーティーリスクを負うことになります。
流動性を確保し、完全にトラストレスな取引をするためには、0xプロトコルの特徴である流動性のプールにアクセスし、取引する必要があります。
支払われたZRXは流動性のプール(DEX)を持っているRelayerの手数料報酬になります。
ZRXは分散型取引所を利用する際の手数料として設計され、発行されているトークンであるため、これ以外の用途は想定されていません。
ただ、既存の取引所からDEX取引所へのシフトが進むこと、0xプロトコルはDEX取引所の中心的役割を果たす可能性があることを考えると、投資の対象としては魅力的です。
価格推移とチャートの形状
0xの価格推移を見ながら、仮想通貨全体の相場との相関や、0xの強みなどを読み解いていきましょう。
0xの取引開始時の2017年10月17日には25円付近での取引でした。
多くの仮想通貨は2017年の春から高騰し夏場に一度下げて、しばらく停滞していたので0xもその影響からしばらくほとんど値動きのない状況でした・・・
0xは比較的新しい仮想通貨なので、他の仮想通貨、特にビットコインの価格に影響を受ける傾向があります。
そのため、ビットコインが100万円を越え、そこから一気に200万円を越えた12月中旬以降、0xも急騰しました。
12月17日には50円を超え、年末31日にはついに100円越えしました。この時期は他の仮想通貨は値下がりしていたため、この急騰は注目され、一気に人気通貨の1つになりました。
その後も急騰し続け、2018年1月13日に最高値の277円を付けています。わずか一か月の間で10倍近い値上がりをしたことになります。
最高値を付けて以降は、値下がりを続け、100円付近まで値下がりをしています。
価格上昇が期待できる材料
0xが注目されているのは、今後の仮想通貨全体の動きを左右する分散型取引所のありかたに、大きな影響を与えているからです。
そのため、0xの価格上昇は分散型取引所の役割や、需要と密接な関係があります。
0xの価格上昇に関連する材料は以下の通りです。
■ トークンエコノミーの発展
世界中で仮想通貨取引に対する規制が強まる中、規制を受ける可能性の低い分散型取引所が増えてくる可能性は高いでしょう。
また、世界有数の取引所の1つであるバイナンスも分散型取引所を目指す方針を出しています。
分散型取引所の需要が高まるためには、もう一つの条件があります。
それが、トークンエコノミーの発展です。
トークンエコノミーとは、トークンを使った新しい経済圏のことです。
トークンを利用して様々なサービスや商品と交換できる社会を意味します。
0xプロトコルではERC20トークンの直接交換が可能です。
仮想通貨が目指している方向性と0xの目指すものが合致する限り、0xの価格上昇の可能性は高くなります。
ゼロエックスの下落リスク(材料)と心配事
逆に0xの価格が下落するリスクもあります。価格下落につながる要素としては下記の2点があります。
■ イーサリアムの影響
0xプロトコルによって提供される分散型取引所はとても魅力的です。
しかし、0xプロトコルを利用しない分散型取引所もすでに多く稼働しています。
0xのライバルプロトコルとしては、WAVESやLIQUIDなどがあります。
また、先ほども少し触れましたが、大手取引所のバイナンスも独自の分散型取引所の設立を計画しています。
分散型取引所の仕組みとして0xプロトコルがどれだけの優位性を持っているのか、現時点では判断できません。
今後のトークンエコノミーの行方次第では全く違うコンセプトの分散型取引所が求められるかも・・・しれません。
しかも、分散型取引所を提供するプロトコルの開発は日々進んでおり、新しいプロジェクトも次々と立ち上がっています。
この状況の中で0xが分散型取引所の中で覇権を握れない可能性がある以上、価格下落のリスクとして認識しておく必要があります。
0xプロトコルはイーサリアムのスマートコントラクトを利用しています。
そのため、イーサリアム自体からの影響を受けることは免れません。
イーサリアムはポストビットコインの最右翼とみられていますが、この立場は保証されているものではありません。
the DAO事件のように、イーサリアムのブロックチェーンに重大な欠陥が見つかった場合には、イーサリアム同様に0xの価格も下落してしまうかもしれません。
バイナンスで購入可能。買い方とその手順
0xの売買は多くの取引所で可能ですが、おすすめはバイナンスです。
・手数料がBNB利用で0.05%と最安
・口座登録してすぐに取引が開始できる
・0x以外にもマイナーな仮想通貨を扱っている
バイナンスへの入金から0x購入までの流れを確認しましょう。
ステップ 1 バイナンスに入金しよう
バイナンスに0xを購入するための資金を入金します。バイナンスは国内の取引所ではないため、日本円での入金ができません。
0xはビットコイン建て、またはイーサリアム建てで購入できます。バイナンスにビットコインかイーサリアムを入金しましょう。
ステップ 2 取引画面からZRXを選択する
入金ができたら、いつでも購入できます。まずは取引画面を表示させましょう。
次に、通貨ペアを選択します。ビットコインで購入する場合は「ZRX/BTC」を、イーサリアムで購入する場合は「ZRX/ETH」です。
0xではなくZRXという通貨単位名での表記ですので注意しましょう。
ステップ 3 注文内容を入力し、注文する
ZRXのチャートが表示されたら、注文画面から注文内容を入力します。
最後に購入ボタンをクリックすれば、注文は完了です。
注文が約定するまで待ちましょう。約定したら、マイページの資産からZRXが増えていることを確認してくださいね。
まとめ
仮想通貨取引をよりスムーズにするための分散型取引所を提供するプロトコルをもつ0xについて見てきました。
0xプロトコルには、仮想通貨やトークンエコノミーの将来に関わる大きな可能性が秘められています。
0xプロトコル上で使用されるZRXの価格は急騰しましたが、執筆時の2018年2月初旬には、一時期の高値から比べて半値以下で推移しています。
投資するなら絶好のタイミングだとも言えそうです。
世界全体で仮想通貨への規制が強まる中、規制を受けにくい分散型取引所をリードするポジションを0xが確保することになれば、さらに大きな値上がりも期待できます。
0xプロトコルを利用したプロジェクトもすでに多く立ち上がっており、2018年注目の銘柄の1つです。