ビットコインからハードフォークした通貨の扱いが豊富な取引所のバイナンスをご存知でしょうか?中国の取引所ながら日本語対応しており、手数料も安いなど海外の取引所の中では比較的使いやすい取引所です。
バイナンスでは日本国内では扱いの予定がないビットコインからハードフォークする予定の通貨の取扱いも発表しています。ハードフォークした通貨が自動的にもらえることになるので、現在最も注目を集めている取引所といっても過言ではないでしょう。
バイナンスの口座開設から取引方法まで丁寧に解説していきます。
バイナンスとは
バイナンスは中国の取引所ということで、正直怪しいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実はバイナンスは仮想通貨取引高世界第1位を記録した世界屈指の取引所なのです。取引銘柄数も2017年11月現在で79銘柄とビットレックスに次ぐ規模となっています。
名実ともに世界第1位の取引所であるバイナンスのメリットとデメリットをまとめておきましょう。
メリット
・ビットコインから分裂したコインがもらえる
バイナンスではビットコインから分裂したビットコインゴールド(BTG)とビットコインダイアモンド(BCD)をいち早く取扱っていました。日本では金融庁の許可なく配布することができないため、現状では配布されていない貴重なコインです。
ビットコインは今後もハードフォークの予定が目白押しで、予定に上がっているだけでスーパービットコイン、ビットコインウラン、ビットコインシルバー、ビットコインキャッシュプラスがあります。これらのコインは日本の取引所にビットコインを預けておいてももらえません。
しかし、バイナンスにビットコインを預けておくだけでこれだけの仮想通貨がもらえるのですから、お得としか言いようがありません。
・日本語に対応している
中国の取引所ですが、日本語に対応しています。海外の取引所で日本語に対応しているところは少ないため、非常に大きなメリットとなります。
ただ、ところどころ怪しいところはありますが、そこはニュアンスをくんで理解しておきましょう。今後、日本人の利用者が増えればこのような怪しさはなくなっていくでしょう。
また、残念ながらサポートは日本語に対応していません。サポートを利用する時には翻訳ソフトを使いましょう。
・アルトコインを多く取扱っている
アルトコインの取扱いは国内最多のコインチェックで13種類ですが、バイナンスではなんと79種類のアルトコインが取引できます。アルトコインの中には今後飛躍的に伸びるものもあるかもしれませんから、大きな利益を手にするチャンスが増えるという意味では非常に魅力的です。
・手数料が0.1%でさらに割引制度もある
手数料が0.1%の取引所は国内にも多く存在していますが、多くの場合ビットコイン取引のみで、それ以外のアルトコインの手数料が高めに設定されていたり、変動制だったりするところもあります。Zaifでは、マイナス手数料を実施していますが、あくまでビットコインの取引のみです。
これだけ多くのアルトコインを一律0.1%の手数料で取引できるのは世界でもバイナンスのみです。手数料は細かい売買を繰り返すスタイルの投資手法においては大きな差になるので、0.1%はうれしいですね。
さらに、バイナンスではBNBトークンを発行しており、こちらのトークンで手数料を支払うと手数料が半額の0.05%になります。これだけお得な取引所ですから世界No.1の取引高を達成できたのです。
デメリット
・中国の取引所である
何度もお伝えしていますが、バイナンスは中国の取引所です。中国ではICOを禁止するなど仮想通貨に対する規制が始まっています。
仮想通貨、特にビットコインの取引は中国が最も盛んなため、仮想通貨が禁止になることはないでしょうが、ある程度の規制が今後も行われる可能性は否定できません。
中国の取引所であることを念頭に、規制の情報があれば、預けている仮想通貨を別のウォレットに移すなどの対応をする必要があります。
・日本円では取引できない
バイナンスでの取引はビットコイン建てかイーサリアム建てです。日本円の入金はできず、ビットコインやイーサリアムの入金しかできないということです。
そのため、仮想通貨初心者がいきなりバイナンスで取引をすることはできません。ビットコインかイーサリアムを国内の取引所で購入してから、バイナンスに送金しましょう。
また、仮想通貨の価格が日本円ではなくBTCやETHで表示されるのでパッと見では価格が分かりにくいかもしれません。これは感覚の問題ですから、チャートを見ながら慣れていくことで解消されます。
・出金までのタイムラグが大きい
バイナンスでは出金手数料が低く設定されている代わりに、出金までに時間がかかります。
出金といっても日本円の出金ではなく、仮想通貨での出金になります。それほど急いで仮想通貨が必要になることはめったにないと思いますが、出金の際は余裕をもって出金依頼をするといいでしょう。
・サポートは日本語に未対応
サイトや取引画面は日本語に対応していますが、サポートは日本語に対応していません。バイナンスは中国の取引所ですが、中国語というわけではなく英語での表記です。中国語よりも英語の方がまだ理解できるでしょうし、各種翻訳ソフトも英語から日本語の精度は高いのでまず問題なく利用できます。
口座開設の手順
バイナンスでの口座開設は非常に簡単にできます。口座開設に必要なのはメールアドレスとパスワードだけです。登録画面も日本語対応で迷うことなく口座開設できてしまいます。
バイナンスに口座開設をするための手順を細かく確認してみます。
- バイナンス公式サイトにいく
- 画面右上の「国旗マーク」をクリックして日本語に切り替える
- 「登録」をクリック
- メールアドレスを入力
- パスワードを入力し、確認のためもう一度入力する
- 「確認し、バイナンスの利用規約に同意しました」をチェック
- 「登録」をクリック
- 次に出てくる丸いボタンをスライドさせ、画面上のパズルを完成させる
- 確認メールが届くので「Verify Email」をクリックする
口座開設時の注意点としてはパスワードの設定です。簡単なパスワードは受け付けてもらえません。
・パスワードの条件
- 8文字以上
- 大文字と小文字を利用
- 数字、記号を利用
口座開設はスマホからも可能ですが、スマホからだと日本語に対応しておらず英語表記です。英語が不安な場合なパソコンから口座開設するようにしましょう。
また、確認メールは英語で届きます。タイトルは「【Binance】Confirm your registration」
です。
英語のタイトルですので迷惑メールに振り分けられることもあるので、メールが届かない場合には迷惑メールフォルダを確認してみましょう。
Binanceにログインして2段階認証の設定をする
口座開設すると、そのままログインすることができます。初回ログイン時に2段階認証の設定をするように勧められます。2段階認証はいつでも有効、無効を切り替えられます。
中国の取引所ですから、用心に越したことはありません。必ず2段階認証を有効にしておきましょう。設定はパソコンからのみとなっています。スマホで口座開設した場合でも2段階認証を有効にするためにパソコンからログインしましょう。
2段階認証を有効にするためには2段階認証用のアプリが必要です。アプリがない場合にはあらかじめダウンロードしておきましょう。
- アプリを立ち上げる
- 画面に表示されるQRコードをスキャン
- アプリに表示される6ケタの数字を入力
- 「確認」を押す
2段階認証用のアプリは他の取引所での2段階認証でも使えますから、まだ利用していない人は、ぜひダウンロードし2段階認証を有効にしておいてください。
少額資本の人なら本人確認しなくても取引できる
取引をするために本人確認が必要な場合がほとんどですが、バイナンスの場合は本人確認なしでも取引することができます。ただし1日の出金額が2BTCまでに制限されます。
それほど多くの仮想通貨を持っていない人や、しばらく出金する予定がない場合には本人確認は後回しにしても問題ありません。
2017年12月時点で1BTCは200万円を超えていますから、2BTCというとかなりの資産になります。少額資金で取引をしているほとんどの人にとって一日2BTCまでの出金で十分でしょう。
本人確認をして出金制限を解除する方法
1日2BTC以上の出金をしたい場合には本人確認をしましょう。本人確認が完了することで出金額が1日100BTCまでに引き上げられます。
本人確認のためにはパスポートか運転免許証、またはマイナンバーカードが必要です。
本人確認の手順は簡単で、5分ほどで完了します。
- ログインした画面の上段にある「身分認証完成」をクリック
- 「タイプをする」で「ほかの国と地域」を選択
- 名前、苗字の順で入力する
- 性別を選ぶ
- 国を選ぶ
- パスポート番号、または運転免許証番号、マイナンバーを入力する
- 身分証明書の表面、裏面、表面と自身が一緒に写った写真の3枚をアップロードする
- 「確認」をクリック
以上で本人確認は完了です。海外の取引所ではありますが、国内の取引所と同じような手順で本人確認をすることができます。本人確認の完了までかなり時間がかかることが予想されるので、必要になりそうな場合には早めに済ませておきましょう。
入出金方法
バイナンスにビットコインを入金する手順は以下のようになります。
- 右上の「資産」から「預金の引き出し」をクリック
- バイナンスで扱うすべての通貨が表示されるので「BTC Bitcoin」を探す
- BTCの列の「預金」をクリック
- ビットコインアドレスが表示されるのでコピーする
- ビットコイン出金元からバイナンスのビットコインアドレスを貼付けて送金する
入金時の注意点として手順3の段階で別の通貨の預金を選ばないことです。別の通貨のアドレスにビットコインを送金しても反映されず、ビットコインを失うことになります。
また、ビットコインを送金する時にも正確にビットコインアドレスを入力しなければいけません。手入力ではなく、コピー、貼付けを利用するようにしましょう。
出金時には、出金したい通貨の「お引き出し」から手続きをします。出金先のアドレスを正確に入力することに細心の注意を払いましょう。また、出金先アドレスに「ラベル」をつけることができます。「ラベル」は自由に設定できるので、ウォレット名や取引所名など分かりやすい名前を付けておくと便利です。
取引方法
バイナンスで仮想通貨の取引は画面左上の「取引センター」から行います。取引センターには「ベーシック」と「アドバンス」がありますが、どちらもはじめから利用することができます。
バイナンスでの取引で注意したいのは各通貨の値段は日本円ではなく、BTCで表示されていることです。慣れるまでは大変かもしれませんが、慣れてしまえばそれほど不便でもありません。
取引の流れはベーシックでもアドバンスでも同じです。
- 取引する通貨を選ぶ
- 購入、売却したい金額(単位はBTC)を入力する
- 数量を入力する
- 「購入」「売却」ボタンをクリックする
以上が取引の流れです。
基本的には国内の取引所と同じです。
ただ、扱っている仮想通貨数が多いので、自分が買いたい仮想通貨を探すのが大変です。また、ビットコインキャッシュの表記がBCHではなくBCCになっていることにも注意してください。
アドバンスモードでの購入
仮想通貨の取引でテクニカル分析を利用する人は多いでしょう。テクニカル分析を使うのであればアドバンスモードがおすすめです。
アドバンスモードの見方は次のようになっています。
アドバンスモードでは左側にチャート、右側には右端から、約定履歴、板情報が表示されます。右側下には注文を入力することができます。
取引通貨を選択するには「マイアカウント」の隣のBNB/BTCのような通貨ペアの表示をクリックします。バイナンスで扱っている通貨ペアが表示されるので、購入したい仮想通貨を選びます。
あとは注文内容を入力するだけです。
特に難しいことはありません。テクニカル分析の利用方法は次の章で説明していきます。
チャートツールが使いやすい
バイナンスのアドバンスモードはテクニカルチャートが使いやすい取引画面になっています。細かい設定なしに簡単にテクニカル指標を利用してチャート上に表示させることができます。
テクニカルチャートの使い方
テクニカルチャートを利用するには、チャート画面上部の「INDICATOR」をクリックします。すると16種類のテクニカル指標が表示されます。専門用語でいうとトレンド系とオシレーター系の指標でメジャーなものはほとんど利用できます。
利用できる指標は短縮表記のものもあって分かりにくいですが、以下の通りです。
- MACD
- TRIX
- KDJ
- StochRSI
- RSI
- EMV
- DMI
- WR
- OBV(オンバランスボリューム)
- BOLL(ボリンジャーバンド)
- MTM(マークトゥーマーケット)
- SAR(ストップアンドリバースポイント)
- EMA(移動平均線)
- CCI
- VWAP(出来高加重平均値)
- MA(SMA移動平均線)
テクニカルチャートは1つの指標ではなく複数の指標を組み合わせることでより正確な予測が可能になります。できれば、トレンド系、オシレータ系の両方をバランスよく組み合わせるといいでしょう。
おすすめのインディケーターの組み合わせ方
専門的な知識なしでも使いやすいおすすめのテクニカル指標の組み合わせをご紹介します。
オススメのインディケーターは「EMA」「BOLL」「StochRSI」の3種類です。
・EMAは移動平均線
誰もが最初に使う指標ではないでしょうか。EMAによって終値の平均値をつなぎ合わせた線グラフです。ローソク足と移動平均線の位置関係を見ることで上昇トレンドか下降トレンドかが分かります。ローソク足が移動平均線よりも上にある時には上昇トレンド、下にある時は下降トレンドです。
また、移動平均線からローソク足が離れすぎた場合には、移動平均線付近に戻る可能性が高いです。
・BOLLはボリンジャーバンドで、95%の確率でバンド内に収まる
ボリンジャーバンドは3本の線で作られます。3本の線の間の価格帯に収まる確率が95%という統計的な指標です。ボリンジャーバンドから外れた時にはバンド内に戻ろうとする値動きをすることが読み取れます。
・StochRSIはストキャスティクスとRSIのいいとこどりの指標
StochRSIは数値で示され80以上は買われすぎ、20以下は売られすぎを意味します。値動きに敏感に反応するため短期の売買に向いています。
この3つの指標を組み合わせて売買するのがおすすめです。
EMAから上昇トレンドが読み取れ、StochRSIの値が50以下、かつBOLLの中央線付近にローソク足がある場合には「買い」、逆に下降トレンドでStochRSIが80を超え、BOLLの上の線をローソク足が超えている場合には「売り」というような使い方ができます。
この組み合わせはあくまで筆者の主観です。実際の取引の判断は各自の自己責任でお願いします。
スマホアプリが使いやすい
バイナンスは海外取引所では珍しくアプリを提供しています。iOS版もAndroid版も用意されているのもうれしいですね。ただ、iOS版はAppStoreからのダウンロードはできなくなっているようです。インストールする際には気を付けてください。
アプリからできること
- 仮想通貨の取引
- 入出金
- チャート確認
国内の取引業者が提供しているアプリは取引できる仮想通貨に制限があり、アルトコインをアプリから直接取引できるものは少ないのが現状です。
ところがバイナンスのアプリは非常に分かりやすい画面とビットコイン建ての豊富な通貨ペアが利用できるため、パソコンからの利用と変わらない取引が可能です。
スマホから取引する機会は今後ますます増えていくでしょうから、アプリが充実しているバイナンスは今後も利用者数を伸ばしていくことが予想されます。
利用者数が多くなると流動性が高くなり、マイナーなアルトコインでも取引が成立しやすくなります。そうなるとバイナンスの取扱い通貨数の多さは大きな武器になるでしょう。
セキュリティは万全?
中国の取引所だということでバイナンスのセキュリティを心配する声も多く聞かれます。
バイナンスではログインに2段階認証を取り入れるなどセキュリティ対策には気を使っている印象です。利用者が多くいること、取引高が世界No.1であることを考えると、セキュリティ面でのリスクは他の取引所に比べて高いというわけではなさそうです。
バイナンスには技術面でのセキュリティの他に、中国政府による規制というリスクも指摘されています。現に中国国内ではICOが禁止され、バイナンスで予定されていたICOが中止された経緯もあります。
バイナンス側も中国政府からの規制から逃れるために、中国国内向けというよりも海外向けにサービスを展開するなどの工夫をしています。
通常の取引所と同じようなハッキング被害などのリスクに加え、中国政府による規制というリスクもあることは常に忘れずに頭に入れておきたいですね。
まとめ
取引手数料が0.01%と激安で多くのアルトコインの取引できるバイナンスをご紹介してきました。
バイナンスの最大の魅力はビットコインのハードフォークコインがいち早くもらえることです。2017年12月~2018年1月に抱えてビットコインのハードフォークが予定されています。
バイナンスにビットコインを入金しておくだけで仮想通貨がもらえるのです。この機会が将来の大化けコインを手に入れるチャンスかもしれません。
口座開設、維持共に無料ですから、とりあえず口座開設だけでもしておくのがいいでしょう。