ビットコインはブロックチェーンをベースとして仮想通貨ですが、取引データを台帳に記録するためにマイナーによるマイニング(承認作業)が必要になってきます。
マイニングとは具体的にはどのようなことをするのでしょうか。また、マイナーがマイニングを行うメリットは何なのでしょうか。
ビットコイン・ブロックチェーンの「マイニング」とは?
ビットコインやブロックチェーンのことを知る上で必ず知っておかなければいけない言葉「マイニング」。
マイニングとはどのような処理・作業のことを言い、どんな意味があるのでしょうか。ビットコイン・ブロックチェーンにおいて、マイニングがあるからこそ取引履歴が記録されていき、送金処理などもできます。
マイニングとは「承認作業」のことで、マイナーには報酬が支払われる
マイニングとはマイナーが行う承認作業のことです。
ビットコインはブロックチェーン技術をベースにしており、取引記録をネットワーク上に分散されている台帳に随時記録していきます。これらの処理は、正確に検証して記録していかなければならないため、高性能なコンピューターを使って膨大な計算が必要となります。
そのためビットコインでは、これらの作業を行うのに世界中の有志のコンピューターリソースを借りています。
有志のコンピューターの余っている計算能力などを借りて計算を行い、台帳に記録をしていくのです。この作業のことをマイニング・承認作業と言います。
この際、コンピューターリソースで膨大な計算を1番に処理して台帳への記録に成功した人には、報酬としてビットコインが支払われます。マイニングは取引処理するために必要な作業であり、マイナーはビットコインの報酬が得れることがマイニングを行うメリットです。
なぜマイニング(採掘、発掘)、マイナー(採掘する人)と呼ばれるのか?
取引データを記録するために行う承認作業は、なぜ「マイニング」と呼ばれるのでしょうか。
マイニングとは「採掘」「発掘」などの意味を持ち、マイニングをする人たちのことをマイナー(採掘する人、発掘する人)と呼びます。なぜ承認作業が採掘や発掘などと呼ばれるのでしょうか。
なぜ承認作業がマイニング(採掘)と呼ばれるようになったのか?
承認作業であるマイニングは「採掘」「発掘」とも言われます。なぜ、承認作業であるマイニングが採掘や発掘と言われるのでしょうか。
これは、ビットコインなどの仮想通貨の仕組みが関係しています。
例えば、ビットコインであれば、最初から発行枚数の上限が2,100万枚と決まっていて2140年にその上限を迎える予定です。
マイニングによって新規発行される量が4年に1度半減していくルールのため、マイニングの報酬が最初は50ビットコインだったのが、25ビットコイン、12.5ビットコインという具合に減っていきます。
そして、2017年には総量の約87.5%が発行済になると言われています。未発行分のビットコインに関しては、マイナーがマイニングを行うごとに発行されていくのです。
発行枚数に上限がある→マイナーがマイニングを行う→マイニングの報酬として未発行分が発行される
という一連の流れが、掘るほどに埋まっている宝などを見つけれる採掘や発掘作業と似ていることから、マイニングを「採掘」や「発掘」と言われます。
マイニングではマイナーによるどんな競争が行われるのか?
マイナーがマイニングを行う場合はどのような作業が行われるのでしょうか。
多くのマイナーが競い、勝者には報酬としてビットコインが支払われます。どのような競争があるかを把握しておくことで、よりビットコインやブロックチェーンへの理解を深めることができます。
10分以内を目安としてナンスをどんどん試して正解を探していく
ナンス(Number used once)とは、1回のみだけ使われるランダムな使い捨ての数字のことです。
複数のトランザクションをまとめたブロックを作る時にマイナーによって作られる数値です。ブロックを作るためにはハッシュ値の計算をしなければいけなく、ナンスをどんどん試して、正解のナンスを最初に見つけたマイナーの検証結果が正式なブロックとして採用されます。
最初にナンスを見つけたコンピューターが勝ちとなり、ブロックが採用されブロックチェーンの最後に追加されます。
正解のナンスを見つけるための方法などはないため、適当な文字列を入力して正解かどうかを片っ端から試していきます。このナンスを探す作業には膨大な計算と電気代がかかるため、マイナーは電気代が安いアジア・中国に集中しています。
正解のナンスを探すためにかかる時間は平均で10分程度のため、基本的には10分以内にナンスをどんどん試していきます。
ビットコインは承認レースがひっきりなしに行われている
ビットコインでは、マイナーによる承認レースがひっきりなしに行われています。
マイニングが行われることで取引の承認がされて処理されますし、マイナーはビットコインの報酬を得れます。仮想通貨によってマイニングにかかる時間は異なります。
ビットコインの場合、承認レースにどれくらいの時間がかかるのか見ていきましょう。
マイニングは10分ごとに繰り広げられている承認レース
ビットコインのブロックの承認作業にはおよそ10分の時間がかかります。多くの取引が行われていますが、およそ10分おきにマイニング競争が行われているということです。
マイナーとしては承認レースに勝てば新規発行されるビットコインや手数料を得れるため、世界中の多くのマイナーがレースに参加します。承認レースにおよそ10分の時間がかかるということは、取引が承認されるまでにそれくらいの時間がかかる場合もあるということです。
承認レースの勝者だけが報酬としてのビットコインを貰う
承認レースに勝ったマイナーだけが報酬として新規発行されるビットコインが受け取れます。
ビットコインは発行枚数の上限が2,100万枚と決まっていますが、発行されるのは承認作業の報酬としてのみです。中国を中心に多くのマイナーが存在し、これからも価格の向上が見込めるビットコインを得るために毎日承認レースを行っています。
マイニングの報酬としてどれくらいのビットコインが貰えるのか?
マイナーは承認レースに勝つことで、その報酬として新規発行されるビットコインと手数料が受け取れます。
競争に勝って得られるビットコインは時期によって異なります。理由は、先述の通り報酬として得られるビットコインは4年に1度半減していくためです。作成されたブロック数が21万に達すると半減していくルールとなっており、それがおよそ4年に1度のサイクルで訪れます。
ビットコインが登場した当初は、マイニングによる報酬は50ビットコインでしたが、その後25ビットコインへ半減して、2016年〜の報酬は12.5ビットコインになっています。
報酬が減る理由としては、マイニングを行うコンピューターの性能も向上してマイニングコストが低下するためです。
現在のビットコインのマイニング報酬は12.5ビットコインです。
報酬が減ればマイナーがマイニングをしなくなるのでは?
4年に1度半減していけば、いずれマイナーがマイニングしなくなるのでは。
このような心配もありますが、マイナーが得る報酬は新規発行されるビットコインだけではありません。取引の際にユーザーが設定する手数料もマイナーの報酬となります。
例えば、ユーザーが送金リクエストをする際に手数料を約50円に設定したとすれば、承認レースで勝ったマイナーは新規発行ビットコインとは別に手数料約50円も得ることができます。
そのため、手数料が高い送金リクエストほどマイナーが承認作業を行う優先順位が高くなる傾向があります。
理由は、報酬が高いからです。そのため、手数料が安いリクエストや0円のリクエストに関しては、承認作業が完了するまでに時間がかかります。
マイニングは承認作業であり10分おきに承認レース勝てばビットコインを得れる
マイニングは取引データを記録するために必要な承認作業のことで、未発行分のビットコインが発行されるためマイニング、行う人をマイナーと言います。
マイナーはナンスをどんどん試し正解を見つけることで勝者になり、ブロックを作成できます。
承認レースで勝つことでビットコインを報酬として得れますが、報酬額は4年に1度半減していきます。マイナーは発行されるビットコインだけでなく、ユーザーが設定した手数料も得れるため手数料が高いものから優先します。
ビットコインはおよそ10分ごとに承認レースが行われますが、他の仮想通貨だと時間も報酬も異なりますので、気になる通貨があれば調べてみましょう!