取引とマイニングで気軽に資産運用と外貨準備を行う方法とは
世界には共通の通貨という制度はありません。
ヨーロッパ圏で利用されているユーロでさえも扱う国によって通貨としての価値は変わらないものの、実質的なその国の物価情勢によって価値のばらつきがあります。
世界で利用されている通貨はどれもその国の経済情勢を反映したものであるため、海外との取引をする際に必ず有利・不利が発生します。その基本は自国通貨が割高なときに仕入れて割安なときに海外へ向けて売却をしなければ通貨を使った利益を得ることはできません。
さらに海外で買い物をするときなどは通貨レートを気にしないとその価値のイメージがつきにくいということもあります。
海外との取引では為替による収益チャンスの増大というメリットと、その逆となるリスク、モノのスケールの違いなどいろいろなものをイメージしながら取引をする必要があります。
ビットコインではその必要性はなく、むしろ物々交換に近しい感覚で取引をすることができます。
ではビットコインを通貨として利用することは現金とどこが違うのでしょうか。
ビットコインはデジタル上で管理される通貨であり金のような性質を持つ
海外との取引を行う際は日本円を使うか現地の通貨を使う必要があります。
特にアメリカドルやユーロなどは利用している人も多く、FXの取引市場では米ドル、ユーロ、スイスフランと日本円は世界4大通貨とも呼ばれ、取引量が世界でも多い部類に入ります。
リスク投資の面でいえば米ドルやユーロはリスク選好時に買われ、反対にスイスフランと日本円はリスクオフ時に買われる通貨として有名な銘柄です。
そのため世界上背に合わせて保有する銘柄を変えないといけないという手間がかかります。
また各国ともに通貨の量を増やしたり減らしたりするので、一概にこれを保有しておけば大丈夫というものでもありません。
それとは反対に、どのインフレにも強い世界の通貨としてこれまで君臨してきた金という投資対象があります。
金はどの通貨のインフレにも対応しており、通常はインフレの対策として保有されています。これらの投資にはこれまで投資としての側面は強かったものの、実際の商取引に使える通貨としての役割はあまり与えられてきませんでした。
それは各国で利用している通貨を増やすための手段であり、これで決済をするという方向にはあまり利用されてこなかったことが原因です。
もちろん外国為替市場で通貨を変換することは重要ですが、こうなると投資としての側面が弱くなるという面があります。
仮想通貨はこのような側面をまとめたものであり、価値としては同じ尺度で表現されるため、モノとの交換や現金への交換など用途に合わせてその価値を変化することが可能になります。
ではこれらのビットコインに代表される仮想通貨にはどのような利便性があり、リスク対策が施されているのでしょうか。
ビットコインは暗号通貨(仮想通貨)としてのリスク管理が必要である
ビットコインはインターネット上で管理されているデジタル媒体の通貨です。
ビットコインの実体や管理者というものもなく、他のPCのストレージを利用した演算とオンライン及び、オフライン上に記録されている所有者情報の演算を繰り返すことにより暗号化をして不正介入ができないようになっています。
そもそもデジタル上での通貨とは、実体を持たない通貨でもあるので、これまでの現物資産とやや実感的な安心感はないかもしれません。
もちろんデジタルリスクは存在するため、今後も絶対に問題がないかということを保証されているわけでもなくハッキングのリスクもあります。
しかし日本円やアメリカドルを利用していたとしても、過去には預金封鎖や超インフレなどに見舞われるようなことがあれば、どの通貨を利用していても同じようなリスクを背負うことになります。
したがってこの点においては通貨を利用している以上同様のリスクであるということになります。
一般的な通貨と仮想通貨の最も大きな相違点とは、その発行元が違うことと、管理の方法、また流通量があげられます。
ちなみに通貨の所有権は現在その人が所有しているもの、通帳に記入されているもの、そして現物として所有しているものの限られるため、現実世界での通貨は盗難のリスクにさいなまれています。
ビットコインは特定の国に属されない通貨のため独立性がある
ビットコインは仮想通貨であり発行体や管理している特定の存在がおらず、運用して売る投資家たちのストレージを利用した演算による規則性の確保によって成り立っていることをここまで解説してきました。
ここでは通貨の発行体や管理が国家でないことによってどのような影響があり、またメリット・デメリットにつながるかということを解説します。
一般的に国家の中央銀行が、自国通貨の流動性の確保や外貨準備高を高める際に、現物資産として同時に保有するものが金であることが広く知られています。米ドルとの金兌換性がなくなった後に金は大きく上昇しました。
このように国家間の制約がなくなることによって急上昇するということは過去にも起こっていますが、仮想通貨の場合は現物としての担保性は全くないため、どのように捉えるかによって方向性の違いが大きく出てきます。
世界で通用する国際通貨、分散型通貨である事と国家の属しないことによるメリット・デメリット
ビットコインを含む仮想通貨は、発行体も管理者も持たない通貨であることから、これまでよりも非常に天候リスクやヒューマンリスクの低い投資として注目を集めています。
特に注目されているのはその独立性と民主性であり、これまでのように発行した機関や大規模な資金がないと参入できないなどの高いハードルをなくしていることであり、これまで市場に参入してこなかったアフリカや発展途上国に資金でも自由に参加できるところです。
つまり日本円で1円からでも投資できるということはメリットはであり、その国の通貨とのレートがあるのみなのです。
インターネット環境さえあれば非常に少額でも投資が可能になります。
また世界中の広い範囲の記憶領域として仮想通貨の取引記録が残ることにより、通貨としての健全性が非常に高くなります。
また単一市場のみの参入ではなく、国際的に取引がされていることにより、日本円から投資をはじめたとしても、米ドルやユーロの返還することにより、円安や円高のリスクを分散し、利益を得ることもできます。
これは外国為替取引のクロスカレンシー取引といって、対外通貨の2種類の組み合わせを行うことと同様の成果を発揮します。
しかし国家に属さないということは、インフレやデフレ時に換金性が確保できているのかというそもそもの問題が出ることになります。
つまり管理者がいないということは、投資家が預け入れた現金はどこの誰が管理しているのかわからい状況でもあるということになります。
確かに預け入れた分だけの仮想通貨は手元に残り、安全性があったとしても、それが正当な金額に変換される保証はありません。
例えば1000万円分のビットコインを保有して10億になったとしたら当然出金しますが、その資金はどこが確保しているのでしょうか。
現在は資金が流入している段階なのであまり心配はいりませんが、価格上昇の裏にはこういったリスクが存在します。したがってあまり大きくかけないといった心掛けが必要となります。
ビットコインはネットワークに参加している人が主体となるため、常に健全性の確保ができる
これまでも述べたように、仮想通貨は国家が保証している通貨ではないため、その健全性が問題となります。
この点に関して、取引は対面ではなくすべてインターネット上を介して行われるため、電子的な安全性や整合性を確保する必要があります。
現在の投資環境では、利益率の高さや回転数の良さよりも安全性の重要性が謳われており、各投資ファンドや発行体は安全性確保に奔走しています。
その中でも通貨というものは国家が発行体となっているため安全性が高いとして投資対象となってきました。
しかし近年では国家の破綻の可能性も高いとしてユーロが危機に陥るなど、通貨に対しての安全性や信頼性が揺らいでいる可能性が高くなっています。その中で仮想通貨はどのようにして安全性を確保しているのでしょうか。
ビットコインは発行体や管理者のいない民主的な通貨であり、安全装置は強力
ビットコインをはじめとする仮想通貨はシステム上の安全装置を活用しています。
通常の国家が発行する通貨であれば発行体を中央銀行に限定することで流通量やその価値を決定しています。また国家間では為替レートが発生するため国内の通貨量がコントロール不能になるほど大きく変動することはありません。
そのため労働の対価としての支払いに基準として用いられるほどの信頼性があります。
これには小国でもいろいろな方法があり、パナマでは自国通貨と米ドルを1対1で交換する決まりがあり、通貨の暴落を防いでいます。しかし仮想通貨では兌換性のあるものを設定することはできず、所有者なども国家間をまたぐことにより、言語などの問題が発生するため一元化は難しいです。
しかしここで重要となっているのは発掘(マイニング)と呼ばれる作業です。
これは国家で使われている言語とは異なり、所有者の情報を何度も演算することにより、改ざんされる可能性を低減しています。これらの作業をネットワークに接続している世界中のパソコンで行うことにより、同時に改ざんされる可能性は限りなく低くなります。
その結果民主的な行動のみで国家が行っている対策に近い安全性がもたらされることになります。
このことで発行体や管理者もいない状況でも常に改ざんの危機にさらされることなく運営できています。
ビットコインは暗号署名を用いて通貨としての独立性を高める
ビットコインをはじめとする仮想通貨は先述のように世界中のPCを利用した演算によりその安全性を高めています。
また仮想通貨にはほかの国家が運用している通貨にはない特徴として、自己所有権の確率性があげられます。これは投資商品でもあげられるように、その投資家が保有しているという特徴さえなければ、通貨のように拾った人物に所有権が移ってしまう危険性があるからです。
投資商品は利益のみではなく損失の可能性があり、通貨には所有している分以上の損失は出ないという特徴があります。
それぞれの長短ですが、これを組み合わせたものが仮想通貨である以上どちらかの特徴のみを活かすことはできません。したがって所有権を確立しつつ通貨としての交換性を持ち合わせることが必要になります。
モノやサービスとの交換性は高まっていますが、所有権は確立されています。その確立には暗号署名(電子署名)という技術が利用されています。
ビットコインは電子署名という技術によって取引の経由、所有者の遍歴をさかのぼる事ができる
ビットコインをはじめとする電子的な取引には、電子署名といわれる紙文書でいうところの署名、捺印の硬貨があるものを示します。
電子署名を使うことによって、仮にビットコインを入れているウォレットが不正に改ざんされた場合はその改ざんの記録を検出できる仕組みになっているため、ほかの第三者が不正にアクセスした場合や利用した場合に痕跡が残るようになっています。
この仕組みによって単純に不正アクセスがないだけではなく、過去の取引における自分の電子署名痕跡から遍歴を探すことが可能になります。
後になって不正に気付いた場合でもさかのぼって検出することが可能になります。
このため通貨としての側面も強くなることから通貨としての独立性が非常に高くなります。
ビットコインは通貨としての側面を持ちながら現金とは違い分散投資もできる
これまで解説したように、ビットコインは分散投資が可能な商品です。
コインという名前なので、通貨としての側面を考えがちですが、自国通貨の身を所有しているよりも数段リスを分散することができるため、非常に人気の投資対象となっています。
もちろん最近のように価格が大きく変動しているときは注意が必要ですが、一時的に資金を非難させるなどする場合は有効な手段となるでしょう。
またそれ以外にも利用できる側面として、税金対策なども挙げられます。
資金を移動させる際には、ビットコインを送るという方法がありますが、現在国家としてビットコインを投資商品あるいは独立した通貨として認めていないため、送金する際に税金は発生しません。
この特性を生かせば贈与税などを節税できる可能性があります。
このように多角的に利用可能な側面を持つ投資商品としても魅力が大きく、通貨としての利便性が高いところがビットコインとしても魅力です。
そしてこの点が現金との最も大きな相違点でもあります。