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NEM財団がコインチェックに不正アクセスしたハッカーの追跡を開始!被害総額約600億円の仮想通貨ハッキング事件は攻殻機動隊並の電脳戦に突入!

2018年1月26日にcoincheck(コインチェック)で発生したXEM(ネム)不正出金事件は、世界中の関係者に衝撃を与えました。

わずか数時間のうちに約600億円分のネムが何者かのアカウントに不正に送金され、コインチェックの入金・出金・取引等のシステムがストップしてしまう最悪の事態に発展。

仮想通貨業界で発生した不正出金事件の中でも最大規模の被害総額もさることながら、テレビやネットなどで宣伝広告を行っていた大手仮想通貨取引所がマルチシグを導入せずホットウォレットで資産を管理するという極めてずさんなセキュリティ体制を敷いていたことが明るみに出たことで失った投資家の信頼はあまりにも甚大です。

金融庁は仮想通貨取引所を運営する国内全ての企業の代表取締役あてに文書を発送。さらなる大規模なサイバー攻撃が予想されるため、セキュリティシステム管理への注意を呼びかけています。

1月28日現在、今回の事件で投資家が被った損害が補償されるかどうか結論は出ていません。法的救済措置は整備されていないので、最悪泣き寝入りも覚悟しなければならない状態です。

このままコインチェックは破産してしまうのか?それともどこかの資産家や大会社が買収を行って営業を継続するのか?今後の展開を注意深く見守る必要があります。

NEM財団の反応

事件が発覚してから数時間後、コインチェックの運営が対応に追われて右往左往している中、NEM.io Foundation(ネム財団:ネムを監査している団体)は早々と

「コインチェックがハッキングされたのはマルチシグ(連名署名)を導入していなかったからだ。」

とツイッターで発言。この瞬間に、コインチェックの不正送金が単なるシステムの故障ではなく、不正アクセスを仕掛けた第三者によるハッキング事件であることが確定しました。


ネム財団代表のLon Wong(ロン・ウォン)氏は、

「コインチェックがハッキング被害に遭ったことはとても残念だ。我々にできることがあれば何でも協力する。」

と発言。そしてネム財団のチームは、忌むべきハッカーに対して驚くべき反撃を開始しました。

ハッカー包囲作戦:ネムにタグをつけて行動範囲を制限!


出典:empireonline
有志のホワイトハッカー(自身の持つ高度なコンピュータスキルを犯罪目的ではなく社会的貢献のために使用する技術者)は仮想通貨のブロックチェーンシステムを利用し、ハッカーのアドレスや送金状況をリアルタイムに追跡できるbotを作成。さらにネム開発チームは事件発覚から24時間前後の短時間で、「盗まれたネムにタグ(印)を付けるシステム」を完成させました。


優秀なエンジニア達の活躍により、コインチェックからネムを盗んだハッカーのアドレスを特定し、誰でも監視できるようになりました。以下のURLにアクセスすれば、ハッカーの行動が手に取るように分かります。

→XEMBook

しかも自動タグ付けシステムのおかげで、盗まれたネムを受け取った全てのアカウントに特殊なタグが付けられ、仮想通貨取引所にてネムの売却ができなくなりました。このタグはハッカーが自分で消去することは不可能です。つまり、盗み出されたネムを現金化できないようにしたのです。

これは一般的な法定通貨の盗難時には実現が難しい、仮想通貨だからこそ出来る高度な包囲作戦です。Inside NEMのツイッターアカウントは、

「過去最大のハッキング事件はネムチームによって数時間で解決されました。これがネムのプラットフォームとチームの実力です。」

と高らかに勝利宣言。パニック状態に陥っていた相場も、徐々に落ち着きを取り戻していきました。このまま事件解決に至れば、今回のハッキング騒動はむしろネムの高性能振りを世間にアピールできる好材料となるかもしれません。

これで仮想通貨のハッキング問題が解決したわけではない?

ここまでの経緯を見て、「なんだ、コインチェックのハッキング事件は無事に解決したんだ。良かった、良かった。」と胸をなでおろした方がいるかもしれません。

しかし、安心するのはまだ早いです。

2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の生みの親として名高い実業家の西村博之(ひろゆき)氏が指摘しているように、ネムチームの行った措置は完璧ではありません。一時的にハッカーの動きを封じ込めることは出来ても、実はこれを突破する裏技が存在します。

その方法は非常にシンプルです。タグを付けられたネムを、片っ端からいろんなユーザーに送金する。これだけで良いんです。

するとどうなるか?「盗まれたネムを受け取った全てのアカウントに特殊なタグが付けられる仕様になっている」ため、何の関係も無い一般トレーダーまでもがネムの取引を出来なくなり、ネム相場が大混乱に陥ってしまいます。インフルエンザウイルスが大流行している現在の日本のように、ネムの存在そのものが一種のコンピュータウイルスと化してしまうわけです。

当然ネムの価値は暴落し、ネムチームは嫌でもタグを外さざるを得なくなってしまいます。まさに、ワクチンとウイルスのいたちごっこの構図です。

そもそも追跡ツールを実行しても、ハッキングの犯人を実際に逮捕できるわけではありません。盗まれた資金を無効にすることはできませんし、600億円分のネムが戻ってくる可能性は望み薄です。そして今回の事件はコインチェック側に非があるので、ハードフォークによる救済措置を行わないことは公式側から明確に宣言されています。

やはり、仮想通貨のハッキングを完全に封じ込めるにはまだまだ時間がかかるのが実情です。今後もハッキング問題は相場の不安材料として意識されそうです。

まとめ

1968年12月10日に起きた3億円事件の犯人は、車を乗り換える際に計30~40kgの重いジュラルミンケースを運んだそうですが、今や指先一つで何億もの金を動かせる世の中です。

仮想通貨の普及によって便利になるのは、犯罪者にとっても同じこと。新しいセキュリティシステムが開発されても、いずれはそれを破る手法が見つかり、無限のいたちごっこが繰り返される。今後も仮想通貨のハッキング事件が無くなることはないでしょう。

私は個人的に今回の一連の騒動を見ていて、1980年代に起きた「グリコ・森永事件」をふと思い出してしまいました。

出典:いまトピ
江崎グリコ社長の誘拐事件を皮切りに、「かい人21面相」と名乗る人物らが食品メーカへの脅迫や青酸入り菓子ばらまき事件などを起こした恐るべき未解決事件。犯人グループの目的が謎のまま迷宮入りしてしまったこともあり、株式の空売りで利益をあげるための株価操作が狙いだったのではないかという説が浮上したことで有名です。

仮想通貨相場にも同じことが言えます。最近の仮想通貨の価格は、些細な悪材料が出る度に急落する展開を繰り返しています。たとえハッキングで盗んだ資金を取引所で換金できなくても、事前に空売りしておけばハッキング報道後の急落に乗じてまとまった利益をあげることが可能です。相場操縦が日常茶飯事の仮想通貨市場では、こういうぶっ飛んだことを平気でやってのける連中が居てもおかしくありません。

もしこれがマンガや映画のようなフィクションだったら、一連の犯行がネム財団の関係者の仕業だった……という大どんでん返しのオチが用意されている所でしょう。

何故コインチェックの取扱い銘柄の中からネムだけが狙われたのか?何故これほどネム財団の対応がスムーズなのか?

実は、すべてはネムの知名度を上げるための自演だったんだよ!

な、なんだってーーーーーー!?

……もちろんこれは単なる冗談ですが(笑)、こういう展開も想像したくなるほど現在の仮想通貨相場は不安定だという事です。

ツイッター上では「コインチェック支援団体」なる人物が出没して意味不明な募金を呼び掛けており、早くも新手の詐欺案件発生が問題になっています。「次はzaifがヤバいらしい」という風説の流布もちらほら目についており、この騒動はしばらく尾を引きそうです。

私たちトレーダーが今すべきことは、決してパニックにならないことです。今回のハッキング事件はコインチェックのセキュリティの甘さに全ての原因があり、ネムの仕様そのものに脆弱性があるわけではありません。いずれ投資家心理は必ず改善します。

そして、取引所はあくまで仮想通貨の取引をする場所であって、資産を保管するところではないということを自覚しましょう。ウォレットで自己管理するのは、仮想通貨トレーダーの常識です。

結局どの取引所が一番良いの?

編集部イチオシの仮想通貨取引所はここ!!
仮想通貨取引所はどれを選んでも一長一短で、自分の投資スタイルに合ったものを選ぶのがベスト。ですが、どのように選んでよいのかわからないですよね。

適当に選べば
  • 手数料が思ったより高い
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といったトラブルに見舞われ、「こんな業者選ばなきゃよかった…」と後悔する羽目になってしまいます。

取引所の特徴を8つの観点から比較しておすすめ順に紹介していますので、自分にとって使いやすい取引所を選ぶようにしてみましょう。

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