ビットコインを利用したマネーロンダリングや詐欺の手口も紹介!
これからの未来に少なからず影響を及ぼすであろう仮想通貨、その代表的なものがビットコインです。
ビットコインは正しく利用することができれば、非常に有益なものとなりますが、現在の日本では、危険な香りのするものという認識をしている人が多いのではないでしょうか。
事実、世界中でビットコインを利用したマネーロンダリングや、ビットコイン詐欺などが問題となっています。
特にマネーロンダリングに関しては、ビットコインの特徴が悪用されているとの情報も多く、優れた仮想通貨ではないとの見方もありますが、実際はどうなのでしょうか。
ビットコインの特徴は匿名性の高さ。それが原因でマネーロンダリングに利用される恐れがある
ビットコインの特徴のひとつとして、その匿名性が高いことが挙げられます。
ビットコインにはウォレットという機能があり、これは銀行口座と同様、自身のビットコインを補完する場所です。このウォレットには、銀行の口座番号に相当するビットコインアドレスというものが割り振られており、そのビットコインアドレスは所有者の個人情報が一切掲載されていないため誰のものなのかを知ることはできません。
ビットコインアドレスは独立した存在で、所有者の個人情報とは結びつけられていません。
そのため、パスワードなどログインする際に必要な情報を紛失してしまうと、それを自身が所有しているビットコインだとしても使用することができなくなります。この点は利点とは言い難いですが、そのおかげで、ビットコインは高い匿名性を保つことが可能となっています。
ビットコインはマネーロンダリングなど、犯罪の温床?世界中で法整備が進んでいる
ビットコインには高い匿名性があると、上記ではお伝えしました。
しかし、それはビットコインの大きなメリットでもあり、デメリットでもあるのです。実際にその匿名性が災いし、マネーロンダリングに利用される恐れがあると世界中で話題となり、各国が法整備を急いでいます。
ですが、ビットコインのマネーロンダリングに関する事件は既に多くの国で発生しており、それによる各国の対応に注目したいところです。
ちなみに日本でも、ビットコインのマネーロンダリングを行ったとして、組織犯罪処罰法違反容疑で男性二人が追送検されました。これは2017年のニュースですが、ビットコインのマネーロンダリングが立件されたのは日本全国ではじめてのことだそうです。
二人がマネーロンダリングを行ったのは2016年1月のことで、ビットコインのマネーロンダリングは、この事件以外でも日本で行われている疑いがあります。
マネーロンダリングの手口とは?
まずはマネーロンダリングについて復習をしましょう。
マネーロンダリングとは、日本語で資金洗浄を意味します。麻薬取引やクレジットカードの不正入手など、主に犯罪行為で得たお金を、架空の名義もしくは他人名義の銀行口座などを利用して、そのお金の出所をわからなくするという手口のことです。
汚れたお金を綺麗にすることから、資金洗浄またはマネーロンダリングと呼ばれています。
さて、マネーロンダリングについてわかったところで、ビットコインを利用したマネーロンダリングの手口とはどのようなものなのか気になりますよね。それでは、実際にお知らせしたいと思います。
日本でも行われている、ビットコインを利用したマネーロンダリングの手口
北朝鮮やアメリカなど、ビットコインに関する怪しい話が飛び込んできていますが、今回は日本で起きたビットコインを利用したマネーロンダリングの手口を紹介します。
上記でお伝えした追送検された二人の男性は、他人名義のクレジットカードを不正に入手しました。
そのクレジットカードで約40万円のビットコインを入手、過去に開設していた複数のビットコインアカウント間を転々とさせ出所をわかりにくくしたうえで、最終的には他人名義の銀行口座に振り込んだとされています。
これが基本的な、ビットコインを利用したマネーロンダリングの手口です。
この男性二人は、過去にもビットコイン詐欺を行ったとして電子計算機使用詐欺罪などで起訴されていますが、ビットコイン詐欺とはどのようなものなのでしょうか。
ビットコイン詐欺とは。アルトコイン詐欺についても解説
テレビなどで取り上げられるようになり、ビットコインはその認知度を一気に上昇させました。
ビットコインについて、名前だけなら知っている人や、誤った認識をしている人もまだまだ多く、正しい知識をインプットしなければ、あなたもビットコイン詐欺の被害にあってしまう可能性がないとは言えません。
人間お金には弱いもので、最初は怪しいと思っていても、詐欺師の巧みな話術に嵌ってしまうということも十分に考えられます。
それを未然に防ぐために、ビットコイン詐欺の事例をお伝えしたいと思います。
マネーロンダリングとは別にビットコインを利用した詐欺の事例もあがっている
まず、詐欺師はどのような謳い文句で我々情報弱者に対して、興味を持たせるのでしょうか。
ビットコインは認知されつつあるとは言っても、どのようなものかしっかりと答えられる人はそう多くはないと思います。詐欺師はそこを利用します。
まだ「しっかりと認知されていない今がチャンス」、「一般的に普及する前に投資しておくことで、価値が上がった際に儲けられる」と実際にビットコイン長者という言葉もあるように、ビットコインを利用して本当にお金持ちになった人がいるという事実、これが情報弱者を誘惑する原因にもなっているのです。
ビットコイン長者がどのようにしてお金持ちになったのか、その点をしっかりと理解せず詐欺師の手口に引っかかる方が大勢います。さらに、それに近い手口としてアルトコイン詐欺というものもあります。
アルトコイン詐欺はビットコイン詐欺とは別物?
そもそもアルトコインとはいったい何でしょうか。
現実の通貨には円やドル、ユーロなどが存在しますが、仮想通貨も同様に、ビットコインやイーサリアム、リップルなど様々な仮想通貨が存在しています。ビットコインを除く、その他の仮想通貨のことを総称してアルトコインと呼びます。
アルトコイン詐欺とは、ビットコインに投資して儲かった例を出し、現在の価値はないが今後価値が上がる仮想通貨があるなどと話し、アルトコインを売りつける詐欺のことです。
もちろん、実際に価値が上がったアルトコインは存在しますが、その多くは投資する価値のないものだということを理解しておいてください。
ビットコインはマネーロンダリングには適さない。理由はトレーサビリティの高さ
このように、マネーロンダリングや詐欺などの犯罪の温床となっているビットコインですが、仮想通貨とは所詮そのような犯罪に使われるような紛い物でしかないのでしょうか。
仮想通貨は、正しく利用できれば非常に有益なものです。
ビットコインも、最初からマネーロンダリングに利用されることなど承知の上で、それを未然に防ぐための特徴を持っています。ビットコインが高い匿名性の他に併せ持っている特徴、それは取引の透明性です。
ビットコインはトレーサビリティがしっかりしているので犯罪者が逃げ切るのは至難の業
ビットコインの取引の透明性とは、具体的にどのようなものなのでしょう。
それは、ビットコインアドレス間のビットコインの移動はすべて公開されるというもの。
例えば、AさんがBさんにビットコインを送金したとしましょう。
「Aさんから、Bさんにいくらのビットコインが送金されたか」ということまでが、全世界に公開されています。
わかりやすく説明するために、Aさん、Bさんという名称を用いましたが、厳密に言えば個人情報はもちろん公開されません。
というより、上記でもお伝えしたようにビットコインには高い匿名性があります。
したがって、ビットコインは個人情報以外の情報すべてが公開されるため、トレーサビリティがしっかりしています。
匿名性が高いからと言って、マネーロンダリングなどを行うと、そのトレーサビリティからどのようにマネーロンダリングをしたのかということが一目瞭然です。つまり、ビットコインを利用したマネーロンダリングを行った犯罪者が、逃げ切るのはほぼ不可能なのです。
ビットコインは犯罪を犯しにくいクリーンな通貨
マネーロンダリングや詐欺と、犯罪ばかりが目に付くビットコインですが、新たなシステムなどが誕生すると、それを利用して稼いでやろうと考える人間が出てくるのは仕方のないことです。
しかしビットコインには透明性もあり、実際に犯罪を犯すにはリスクが大きいということもわかりました。
ですが、未然に防止ができるのであればそれに越したことはありません。ビットコインを利用した犯罪の被害を少なくするためにも、ビットコインに関する法整備をしっかりと行い、安全に利用できる仮想通貨にしてもらいたいものですね。