ゼロ知識証明ですべてを非公開のまま取引できる利点とは?
「ジーキャッシュ(Zcash)」は匿名性というほかにはないコンセプトがあり、また大手銀行「JPモルガン」と提携したことで大きな話題となっています。そ
んな仮想通貨ジーキャッシュについて深く知っていただきましょう。
JPモルガンが提携した匿名性の高い仮想通貨ジーキャッシュとは?
ジーキャッシュは2016年10月28日にリリースされ、一般投資家が売買できるようになった瞬間から高値をつけて話題となりました。
ただ、その直後に暴落していますが、それはある意味適正価格に落ち着いたと言えます。
Zcash(ジーキャッシュ) | |
---|---|
通貨単位 | ZEC |
公開日 | 2016年10月28日 |
発行数 | 2100万枚 |
そして、しばらくしてから再びジーキャッシュは価格が値上がりします。それはジーキャッシュが大手銀行「JPモルガン」と提携をしたからでした。
ジーキャッシュは仮想通貨としては初めて『ゼロ知識証明』を使ったことで注目され、今後の運用に期待されています。
暗号学においてある人がほかの人に「自分の持っている命題が真であることを伝えるためには真であること以外のなんの知識も伝えることなく証明できる」というやりとりの手法。
簡単に言えば匿名性です。
ゼロ知識証明は
- 完全性
- 健全性
- ゼロ知識性
の3つを備えていることが条件とされ、これが仮想通貨とマッチングされたというわけです。
提携の話題は、このジーキャッシュの技術であるゼロ知識証明をJPモルガンが高く評価したということになり、実際にJPモルガンの声明では「世界最先端の技術」と称賛されています。
ジーキャッシュとの提携はJPモルガンが自社のプラットフォーム「Quorum」にこの技術を取り入れるからだと見られます。
Quorumはイーサリアムのスマートコントラクト(ブロックチェーンに契約内容を盛り込める技術)を基にしたプラットフォームになっています。
ジーキャッシュが発行される枚数は2100万枚と限られている!
ジーキャッシュに限らず、仮想通貨はどの銘柄も有限です。
無限に発行していては数がだぶつき、価値が下がってしまいます。開発段階でそうならないよう発行上限数が予め決められていて、マイニングと呼ばれる発掘作業の報酬が徐々に半減していき、最後に上限に達したときに発行が終わります。
ジーキャッシュにおける発行数量は21,000,000ZEC、つまり2100万ZECということです。
銘柄によってはプレマイン――開発者が一定数量のジーキャッシュを持った状態でリリースすることもありますが、ジーキャッシュではそれがされず、10分ごとのマイニングでブロックが生成されます。ブロックサイズは2MBで、4年ごとに半減期が来る設定になっています。
ジーキャッシュ最大の特徴は間違いなく匿名性が高いこと
世界的に有名なJPモルガンからその技術を認められたジーキャッシュですが、やはりこのニュースが駆け巡った2017年5月から価格も上昇傾向にあるようです。
それほどこのゼロ知識証明を利用した技術は期待されているということになります。そして、この匿名性の技術こそがジーキャッシュの最大の魅力、特徴であると言えます。
では、このジーキャッシュの匿名性はどんなことに期待されるのでしょうか。それを紐解くことでジーキャッシュの特徴が見えてくると思います。ジーキャッシュにはどんな魅力があって、多くの投資家が注目しているのでしょうか。
ジーキャッシュの匿名性により投資家の安全が確保される!?
ジーキャッシュ最大の特徴はゼロ知識証明を用いてブロックチェーン内の通貨の取引を暗号化することができ、高い匿名性が確保されていることです。
ブロックチェーンはビットコインでも採用される、世界中の全取引を一定時間ごとにブロック状の記録にまとめ、そのブロックをチェーンのように繋げていくことからそう呼ばれている運用システムです。過去の取引などを改ざんしたりすることが事実上不可能で、それによって安全性と信頼性が確保されています。
- ジーキャッシュ…資産のやり取りをほかの人に一切知られない
- ビットコイン…すべての記録を第3者が自由に読み取ることができ、どこの誰がどれくらい保有し、誰に送金したかなどがわかる
そんな中でジーキャッシュはゼロ知識証明を初めて使った仮想通貨として、本格的な匿名性に期待が寄せられるというわけです。
誰が誰にどれくらいのジーキャッシュを送金したかを公開する必要がなく、それでもちゃんと送金トランザクションの正当性が証明できる――つまり、取引が確実に成立するというのがジーキャッシュとビットコインの違いというわけです。
取引を追跡できない完全な匿名性を実現したことで、自分がどれくらいのジーキャッシュを保有しているかなどが外部にはわからなくなります。
ジーキャッシュは仮想通貨としての安全性だけでなく、実生活における安全性も確保できるのです。
ジーキャッシュは仮想通貨市場でどれくらい普及しているのか
匿名性に期待されるジーキャッシュですが、果たしてどれだけの投資家に浸透し、仮想通貨として普及しているのでしょうか。
特殊な技術で匿名性にすることから、本格的なビジネスに利用される印象もあり、一般投資家に果たしてどれくらい普及しているのか気になるところですね。
ここではそんなジーキャッシュの仮想通貨としての人気の度合いや普及の様子を見てみましょう。
実はこの普及率というのは短期売買をする投資家には重要な情報です。欲している人と手放したい人がいることで価格が変動しますから、普及していない仮想通貨は投資対象としては魅力が低いのです。
ジーキャッシュは仮想通貨2000銘柄のうち上位20位には入る人気銘柄?
ジーキャッシュが普及しているのかというと正確なシェア率はわかっていません。
様々な取引所や仮想通貨を推すサイトなどでは常時取引高や時価総額のランキングが登場しますが、ジーキャッシュはトップ10にはそれほど入ってきませんが、20位以内には入っている銘柄ではあります。
ジーキャッシュは2017年5月のある時期ですと16位にとどまっています。仮想通貨は全銘柄が2000種類以上(諸説あり、1000銘柄という場合や、700銘柄程度という場合もあります)ある中での16位ですから、その他のアルトコインに比べたら普及はしています。
ジーキャッシュほど高い匿名性はないにしても、匿名性を謳った銘柄があり、例えばダッシュ(Dash)やモネロコイン(Monero)が挙げられます。
匿名性の高いアルトコインを比較し表にまとめてみました。
通貨 | 方法 | 内容 | 承認 時間 |
発行 上限 |
---|---|---|---|---|
DASH(ダッシュ) | プライベートセンド | ・送金アドレス、送金数が公開される ・送金履歴は秘匿 |
約4秒 | 2200万枚 |
Monero(モネロ) | リング署名 ワンタイムアドレス |
・送金アドレス、送金数が公開される ・送金履歴は秘匿 |
約2分程度 | 上限なし |
Zcash(ジーキャッシュ) | ゼロ知識証明 | 送金アドレス、送金履歴、送金数 すべてが秘匿 |
約10分程度 | 2100万枚 |
では、どんな投資家がジーキャッシュを買っているのでしょう。
おそらく、特殊な職業の人や、ネットリテラシーが高い投資家、あるいは開発者などのITエンジニアが買っているのではないでしょうか。
ネットリテラシーが高く、資産内容や取引内容を第3者に知られたくない人たちです。
日本でジーキャッシュを売買できる取引所は「coincheck(コインチェック)」だけと限られている(2017年7月現在)ので、日本国内の仮想通貨業界としてはまだマイナーな銘柄であるところはあります。
ジーキャッシュは今どんな状態にあり、それが値動きや価格にどんな影響を与えるのか
ジーキャッシュの現状はどんなものでしょうか。
仮想通貨に限らず金融取引においては過去、現在を詳しく把握していることが未来を分析し、予測できるテクニックのひとつになります。
ですので、ジーキャッシュの将来性を考えるにあたっては、まずは現状を知っておくことが大切です。
ジーキャッシュの現状は非常に安定的になると見込まれる?
ジーキャッシュは大体1ZECあたりが2万円のあたりを推移しているが現状です。
スタートが2016年10月下旬で、そのころには仮想通貨の普及が遅かった日本でも政府が法整備に乗り出していたり、一般層にも仮想通貨という言葉が浸透し始めた時期でもありました。そんなこともあり、ジーキャッシュがリリースされた瞬間の高値は衝撃のレベルだったのではないでしょうか。
その直後にジーキャッシュの値が崩れ、かなり低迷していましたが、2017年に入ってからの仮想通貨業界の底上げ的な人気上昇と、かのJPモルガンの提携が発表された5月でかなり値が上がっています。
日時 | 安値 | 高値 |
---|---|---|
2016年10月リリース | 50,930 | 638,414 |
2016年11月 | 5,996 | 213,528 |
2016年12月 | 4,016 | 8,486 |
2017年7月 | 15,702 | 34,686 |
2017年8月 | 16,974 | 33,277 |
2017年9月 | 14,840 | 47,783 |
2017年10月 | 22,230 | 31,407 |
2017年11月 | 23,563 | 43,381 |
2017年12月 | 31,589 | 88,860 |
ただ、今後この価格はどこかのレートで落ち着くのではと考えられています。
それが2万円台。確かにJPモルガンがその技術を認めたことでアルトコインの中でもかなり優位に立ちましたが、JPモルガンの株価にジーキャッシュの価格がつり上げられるわけではないので、人気は続くかとは思いますが、価格は安定するのではないかという評論家も少なくありません。
ジーキャッシュの値動きは乱高下が激しいものの、どこかで落ち着くともされる?
ジーキャッシュがとにかくすごかったのはなんといってもリリース時です。
すでに世界中で仮想通貨が投資対象として認められている時期ですので、新たな銘柄として大注目を浴び、驚くべきことにリリース時の価格は50万円以上をつけたほどです(仮想通貨は取引所によって価格が違います)。
ただ、その翌日にはその祭りは終わってしまい、あっという間に急落。一気に55000円まで下がりました。
2017年7月で2万円台が相場と見られていることからもわかる通り、高値で買った投資家は大損ですね。
その後、2017年3月に再びジーキャッシュの価格が上昇し始めます。
これはジーキャッシュの人気が再燃したというよりは、ビットコインやそのほかの銘柄であるアルトコインが注目を浴び、仮想通貨市場が全体的に底上げされて価格が上昇したからだと見られます。
アルトコインでは特に
・イーサリアム
・リップル
・ネム
の上昇が大きかったようです。
ジーキャッシュはそれに便乗して値が上がりました。
このときは価格が上がったとはいえ、上昇率は緩やかなもの。
ですが、同年5月の上昇は急激でした。世界的な大手銀行JPモルガンがジーキャッシュの技術を評価し、提携したというニュースの発表です。
ジーキャッシュはこのニュースで価格が急騰しました。このときで27000円あるいは28000円台を記録しています。
この現象からもわかるように、ジーキャッシュはリリース当時にかなりの話題性と期待を集めた銘柄だったということになります。
これに乗じようとした投資家がむやみに巨額を投じてしまい、実力以上に価格が上がってしまったのです。
こんな状況はボラティリティー(流動性)が高い仮想通貨ならどの銘柄でも起こることですし、今後も新銘柄ではこんなトラブルはあり得るでしょう。
仮想通貨とはいえしっかり分析は必要で、冷静に売買を進めなければなりません。その点でいえば、ジーキャッシュの山場は過ぎているとも考えられ、今ならまだ手が出しやすいかと思います。
ただ、2017年7月はジーキャッシュの単価は落ち着いており、1ZECで20500~21000円付近を推移しています。
もちろんジーキャッシュも価格の乱高下が激しい銘柄ですので、ときにはそれ以上、ときにはその範囲内で推移します。おそらく2万~3万円台で落ち着くのではないかという推測が多いようです。
いすれにぜよ、33万円で買った人はいまだ回収できませんし、新規にジーキャッシュを扱いたい投資家には参入しやすい環境だと言えますね。
ジーキャッシュ取引におすすめする2つの取引所・特徴と詳細
ジーキャッシュを扱う取引所は日本にはcoincheck1社のみ、他は海外の業者となり更に日本語に対応している公式サイトの業者は限定されています。
海外の業者は初心者には敷居が高く難しいと感じるかもしれませんが、多くの初心者が難しいと感じながらも徐々に海外の市場に面白味を見出しています。
Krakenは米国の取引所で、高い流動性があり日本語取引可能
Krakenは2011年米国サンフランシスコに設立され、2014年日本進出を果たしています。
2015年にはマネーパートナーズグループと提携を結んでおり、日本人にも親しみのある取引所です。
公式サイトでは日本語に対応しているため、口座開設や取引など迷うことなく最初からスムーズに進めることができます。万が一の時にも日本語対応でのサポート可能なため、安心して取引を行うことが可能です。
手数料 | ★★★★ | 0%から0.26%と非常に安い設定。 直近30日間の取引量に応じた手数料体系が設けられており、一定以上の取引を行えば手数料は安くなる仕組み。 |
---|---|---|
日本円対応力 | ★★★ | ジーキャッシュからビットコインやイーサリアムに交換すると、日本円対応が可能となります。 |
独自サービス | ★★★★★ | 日本語に対応の公式サイト、海外取引所という流動性を得ることができます。 |
レバレッジ取引 | ★ | ジーキャッシュのレバレッジ取引は行っていません。 |
安全性 | ★★★★★ | 2段階認証とコールドウォレットを採用しており、ほぼコールドウォレットで管理することにより安全性を強。 マスコミからは最も安全な取引所と評されるほど高いセキュリティを維持。 |
スマホアプリ | ★ | スマホアプリはありますが、ジーキャッシュには対応していません。 |
スプレッド | ★★★★ | 0%から0.26%と非常に安い設定 |
スワップポイント | ★ | ジーキャッシュのレバレッジ取引はありません。 |
情報量 | ★ | デイリーニュースやメディア掲載情報、マーケットレポートなどニュースは全て英語です。 |
サポート力 | ★★★ | 日本語で対応してくれますが、直接電話でのサポート窓口はありません。 メールでの問い合わせとなりますので多少の時間はかかります。 |
チャート、ツール | ★ | チャットなどを利用して会員同士などのコミュティとなるツールは存在しません。 |
coincheckは日本の業者で、安心安全に取引が可能
日本で唯一ジーキャッシュに対応している取引所です。ビットコイン以外のアルトコインは全て販売所での取引となり、ジーキャッシュも含め手数料はやや高めに設定されています。手数料の概要ははっきりと提示されておらず、おおよそ2%くらいでその日のレートや取引量によって変化します。
手数料 | ★★ | 取引所ではなく販売所のため手数料は高めの設定。 米国のPoloniex取引所との提携により価格設定が行われており、Poloniex取引所の価格に上乗せされた金額での取引。 |
---|---|---|
日本円対応力 | ★★★★★ | 日本円での購入、日本円での売却が可能。 銀行やコンビニ、クレジットカードなどを利用して日本円で入金が可能なため、手間がかからず簡単にジーキャッシュを購入することが可能。 |
独自サービス | ★★★★★ | 不正ログインによる損失を100万円まで補償するサービスを行っています。 |
レバレッジ取引 | ★ | ジーキャッシュは取引所での取引のためレバレッジ取引はありません。 |
安全性 | ★★★★★ | セキュリティを強化しており、SMSと認証アプリの2段階認証を取り入れています。 |
スマホアプリ | ★★★★★ | スマホアプリでも2段階認証を設定することが可能です。 |
スプレッド | ★★ | おおよそ2%くらいの手数料がかかっています。 販売所での取引のみとなるため、レートに手数料分上乗せされた金額でしか購入ができません。 |
スワップポイント | ★ | ジーキャッシュ取引はレバレッジ取引に対応していないためありません。 |
情報量 | ★★ | 公式サイト上ではチャットを閲覧できるようになっているため、取引における情報はチャットからの情報が主になります。 |
サポート力 | ★★★★ | 平日10時から17時まで緊急電話問い合わせ窓口を開設しています。 |
チャート、ツール | ★★★★★ | 会員同士の情報ツールとしてチャットを利用することが可能。 仮想通貨におけるニュースや操作について、相場についてなど生の声でやり取りをすることができる。 |
ジーキャッシュの将来予測のキーになるのはやっぱりあの会社
ジーキャッシュの今後はどうなるのか、資産運用にジーキャッシュを利用しようと考えている場合、将来予測は非常に大切なことです。
ジーキャッシュを含む、たくさんの仮想通貨の銘柄群であるアルトコインはどれも個性豊かな開発コンセプトを持っています。ですので、アルトコイン全体としての予測ではなく、ジーキャッシュなど各銘柄それぞれの分析が大切です。
ジーキャッシュの場合、特徴は匿名性ですが、もうひとつ期待できる将来性はJPモルガンがジーキャッシュの開発技術に目をつけて提携をしたことです。
世界的に有名な金融機関がその技術を認めたので、ジーキャッシュのアルトコインとしての存在感はより強固なものになりました。このニュースがジーキャッシュの将来にもたらす結果とはどんなものでしょうか。
ジーキャッシュは匿名性の技術力によって安定した地位を得る?
ジーキャッシュがJPモルガンに認められたことで、ジーキャッシュの信頼性はアップしたということは明確です。
特にジーキャッシュの場合、リリース時に過度な期待で価格が異常なものになってしまったあとに適正価格に戻りましたが、実際には暴落したという印象も拭えません。
ですが、ここにきてJPモルガンの提携で信頼性を取り戻しつつあります。
そして、この世界的な大手銀行との提携は将来的にもジーキャッシュの存在を大きく変化させることになり、高確率で価格に対していい影響をおよぼすことでしょう。
高い匿名性を保つ技術が大手金融機関に認められたということは、すなわち誰が見ても優れた技術ということなります。
今ではJPモルガンのほかにアルトコインの主力銘柄イーサリアムもジーキャッシュの開発チームと提携をして匿名性の技術を導入し、アップデートを行おうとしているとも言われています。
実物が存在しない仮想通貨だからこそ、なおこのジーキャッシュの信頼性の高さが将来的にも安定した価値を継続できるのではないかと期待されています。
ジーキャッシュの将来的リスクは犯罪に利用される懸念があること
どんな仮想通貨にもなんらかしらの将来的リスクが存在します。
それは仮想通貨だけでなく、金融取引に利用される対象商品はすべてリスクがあります。投資や資産運用にはリスクがつきもので、リスクなき商品に利益は望めないと思っていていいでしょう。
当然ながらジーキャッシュにも将来的なリスクが伴います。
ですので、予めどういったリスクがあるのかを知っておくことでリスクヘッジの方針や、資産運用として投入する資金額を決めておくことが大切です。
そんなジーキャッシュにはどんなリスクがあるのでしょうか。それを検証してみてわかったことは、ジーキャッシュの最大の特徴が実はあだになる可能性があることでした。
ジーキャッシュの匿名性があだとなり、法律で取引規制される可能性がある?
ジーキャッシュは取引追跡をできない完全秘匿性を持つ仮想通貨だという点が最大の魅力です。
ネットリテラシーの高い投資家や、名前を知られたくない投資家にはうってつけの特徴があります。ですが、この特徴が将来的にジーキャッシュのリスクになる可能性もあるのです。
ジーキャッシュは利用者にとってはプライバシー保護のメリットがあるわけですが、その一方では犯罪に使われるケースも想定されるのです。
・マネーロンダリング
・武器や麻薬の密売
でジーキャッシュを利用すれば、誰が誰に違法商品の代金を払ったのかもわかりません。
また、売買を追うことができないことから巨額の脱税に利用することも考えられます。
犯罪はこういったサービスを利用しつつ常に新しい手法が考案されますが、ジーキャッシュの場合にはその匿名性が悪用しやすいものにもなってしまうのです。
ビットコインなどは仮にアカウントの名前を仮名にしたとしても、ブロックチェーンにすべての取引内容が記載されることから、本人とアカウント名を結びつけることができればあっという間にその内容を追え、政府や警察、税務署は追跡しやすいです。
むしろ、こういった内容の公開が不正や犯罪の抑止にもなり様々なメリットがあります。
ジーキャッシュは安全性が高く、匿名性によって投資家にもメリットがあるものの、そういった犯罪を誘発する可能性もあり、極端なリスクとしては国がジーキャッシュの売買を規制する可能性も出てきます。
これがジーキャッシュが抱える将来的なリスクです。
ジーキャッシュの特徴を考えると需要は大きい
ジーキャッシュはアルトコインの銘柄のひとつですが、その匿名性から大きな期待を投資家から寄せられています。
この匿名性の技術はゼロ知識証明を採用していることで実現されており、世界的に有名な大手銀行のJPモルガンが2017年5月にジーキャッシュと提携したことで、その技術にお墨付きを得た形となりました。
ジーキャッシュはリリース当初、時期的に仮想通貨業界が盛り上がり始めたこともあって、初日に数十万円という異例の価格をつけてしまいます。
しかし、見た目としては暴落を翌日に起こし、5.5万円に下がりました。
これは暴落というよりは、適正に落ち着いたと言うべきでしょう。
そして、現在は2万円前半を推移しています。スタートこそあまりよくなかったわけですが、JPモルガンの提携が今後ジーキャッシュの息を吹き返していくきっかけになることは間違いありません。
アルトコインは個性豊かなコンセプトが多いですが、その中でもジーキャッシュは飛び抜けて匿名性が高いという特徴があり、取引各種はすべて非公開のままでも送金のプロセスは確定するという信頼性もあります。
犯罪に使われやすいデメリットはありますが、この匿名性は一定以上の需要を保ち続けると見込まれます。ですので、ジーキャッシュは今後もじわじわと利用者が増えていきそうです。