ビットコインは常にレートが変動していますが、どのようにして価格が決まるかご存じですか。
また、どんな事象に影響を受けやすいか知っていますか。発行元がないため政府や中央銀行にコントロールされない特徴を持ちますが、一定の事象には影響を受けてしまいます。
ここではビットコインが影響を受けやすい各国のルールや規制、開発者コミュニティの動向や発言、取引所のハッキング被害や半減期などについて紹介します。
ビットコインは各国の規制やルールの影響を受け価格が変動することも
ビットコインは、発行元がないため透明性が高く、国や機関に依存しなくていい特徴を持ちます。そのため、特定の国に直接コントロールされることなく、グローバルな仮想通貨として世界中で取引されています。
ここではビットコインの価格に影響を与えるものでもある、各国で違うビットコインルールについて見ていきましょう。
特定の国にコントロールはされないが、各国のルールが適用される
円やドルなどの一般的な貨幣は中央銀行や政府などが発行したり量をコントロールしますので、発行元や管理元の影響を受けやすい性質を持ちます。しかし、ビットコインは中央銀行や政府などにコントロールされないため特定の国や機関からの影響を受けることはありません。
しかし、世界で流通するビットコインに対しての各国の見方は異なり、それぞれの国のルールが適用されます。
ビットコインの各国の取り扱いが違う新しいルールができると影響を受ける
ビットコインは、日本では日本のルール、中国では中国のルール、アメリカではアメリカのビットコインに対してのルールの中で取引や使用をしなければなりません。
ビットコインに限った話ではありませんが、各国ルールや規制が異なるのでルールに則って取り扱う必要があります。
「そもそもビットコインは通貨なのか」「ビットコイン取引で得た利益に対してどれくらい課税されるのか」「投資や換金にもっと別のルールや規制は必要ないのか」など、ビットコインに対しての考え方は各国でまったく違います。
ビットコインの自由度や利便性を妨げ、取引に規制がかかるようであればビットコインの価格は下がる可能性があるでしょう。
逆にビットコイン取引にとってプラスになるようなルールであれば価格が上がる可能性があります。ビットコインが広まるほど新しいルールが出てくる可能性があり、その都度ビットコインの価格は影響を受けることになります。
開発者コミュニティの動向や発言に影響を受けることもある
ビットコインの価格に影響を与えるのは各国のルールや規制など規模の大きいものだけではありません。
開発者コミュニティの動向や発言によって価格が大きく変動することもあります。なぜなら、ビットコインに使われている技術はまだ完成ではなく、これから多少の変化がある可能性があるからです。
ネットワーク上で完結される通貨のため、技術やシステムの変更はビットコインの信用にも関わってきます。外国為替の動向を見る時に政府や中央銀行の動向や発言に注目するように、ビットコインの開発者コミュニティの動向や発言にも注目しましょう。
ブロックチェーンはまだ発展途上の技術今後の動向が影響を与えることも
ビットコインの取引記録を保存したブロックチェーンは可能性を秘めており、これからさまざまな分野にイノベーションを起こせる技術の1つです。
しかし、技術的に完成されたものではなくまだまだ発展途上の段階の技術です。
システム上のバグや課題も見つかっており、これからさらに強固なシステムになる潜在的可能性を秘めています。そのため、「どんな技術になっていくか」「どんなシステムになるか」などがビットコインの価格に影響を与える場合があります。
影響力のある開発者などの発言により価格が大きく変動する場合もある
ブロックチェーンのシステム的な動向や運営規則などについて議論を行うビットコイン・カンファレンスが、四半期に1度開催されています。
開発者などのビットコイン関係者が集まって危機感の共有や方向性を示す場合もあり、ビットコインの価格に影響がある場合があります。
外国為替でも、経済指標より影響力のある人の発言がマーケットを大きく動かすことがありますが、ビットコインも同様です。開発者コミュニティの動向や発言には注意しましょう。
取引所のハッキング被害など事件や事故の影響を受けやすい
ビットコインに限らずですが、ビットコインや取引所に関する事件や事故が起きると価格に大きな影響を与えます。
特にビットコインで怖いのが取引所のハッキング被害です。こういった事件・事故はビットコインは悪くなくても印象が先行し、投資家もリスク回避の行動を取るため大きく下落する可能性があります。
1つの大きなリスクとして認識をしておき、いざという時はすぐに判断できるようにしておきましょう。
ビットコインに関連する事件や事故が起きると大きく下落するリスクも
「マウントゴックス」という名前をご存じですか。ビットコインの取引所のことで2014年に大々的にある事件で話題になりました。
当時、マウントゴックスは世界最大のビットコイン取引所でした。そのマウントゴックスが約470億円相当(当時)ものビットコインをハッキングにより盗まれたと宣言したのです。その後、社長が社内システムを悪用した疑いが強まり逮捕され、取引所マウントゴックスも破綻しています。
未だ操作や裁判が続いており、本当にハッキングだったのか社長による不正流用だったのかはわかっていません。
ただ確かなのは取引所であるマウントゴックスが破綻しただけで、ビットコイン自体は何ら問題がなかったことです。しかし、こういった事件が起きると「破綻」や「ハッキングが起きたかも?」という印象が先行するため、ビットコインの価格が大幅に下落する可能性があります。
このようなビットコインに関連する事件や事故が起きた場合は注意が必要です。
リスクによる通貨の暴落でビットコインが注目される
通貨に限定されるわけではありませんが、どこかの通貨価値が暴落すれば代わりに他の資産価値が上がる傾向があります。
ビットコインは国などに依存しておらずグローバルで通用する仮想通貨のため、何かあった際は安全資産として買われることがあります。つまり、どこかの国の通貨が下がればビットコインの価値が上がる可能性があるということです。この傾向を把握しておけば、取引チャンスを広げられます。
地政学リスクやデフォルトリスクなど通貨が暴落する際に買われることもある
テロや有事などの地政学リスクや国のデフォルトリスクなどが生じると、該当する国の通貨が暴落し一気に価値が下がります。
自国の人たちは暴落する通貨を持っていてもしょうがないので、安全資産と言われるドルや円、金などを買う傾向があります。実はこういった事象が起きた時にはビットコインも買われることがあり、価格に影響を与える可能性があります。
暴落とまではいきませんが、中国では人民元に対する不安感から多くの人がビットコインを持つようになったと言われており、実際に世界の90%以上のビットコイン取引が中国で行われているほど普及しています。
地政学リスクやデフォルトリスクなど、各国の通貨に大きな影響を与えるようなリスクが生じた場合には、ドルや円などと同じように相場が大きく動く可能性があるので覚えておきましょう。
オリンピックイヤーに訪れる半減期
ビットコインの特徴の1つとして、公開当初から発行枚数や発行ルールがすべて決まっています。
マイニング競争に勝てば報酬として新たなビットコインが発行されるのですが、その報酬も4年に1度半減されていきます。つまり、50ビットコイン→25ビットコイン→12.5ビットコイン…などのように年が経つほどに報酬が減っていきます。なぜ、報酬が半減されていくのでしょうか。
マイニングの報酬として発行されるビットコインは4年に1度半減する
ビットコインは、マイニングの報酬として新たにビットコインが発行される仕組みです。
発行枚数の上限は2,100万と決まっており、2140年には上限を迎える予定となっています。一気に上限枚数を発行するとインフレになり混乱を起こしてしまうため、ルールを決めて発行しています。
ビットコインが公開された2009年から、およそ10分ごとに発行されていますが、4年に1度半減期を迎えて発行される額が半分になっていきます。
これにより、2017年には総量の87.5%、2033年までには総量の99%が発行されて残りの1%は2140年までに少しずつ発行していきます。4年に1度ビットコイン発行が半減される理由は、マイニングに使うコンピュータの処理能力がどんどん発達していき、マイニング時間が短くなるためです。
マイニングにかかるコストが減っていくため報酬も減らしていっているのです。
依存しないグローバルな仮想通貨だが影響を受け価格が変動することもある
いかがでしたでしょうか。ビットコインは各国のルールや規制、開発者コミュニティの動向や発言、取引所のハッキング被害や4年に1度の半減期などに影響を受けやすいです。
影響を受けやすい事象を把握しておくことで、いち早く対応することが可能です。
取引チャンスにもリスク管理にもなりますので、しっかりと把握しておきましょう。特にこれから各国の新しいルールや規制もどんどん出てくる可能性がありますので、しっかりと抑えていきましょう。