クアンタム(Qtum)という仮想通貨があるのをご存知ですか?
一言で言えば「ビットコインとイーサリアムの良いとこどりをした通貨」であり、高いセキュリティ+スマートコントラクトの便利さを兼ね備えた通貨です。
ここでは、クアンタムの主な特徴や誕生からの経緯、購入方法や将来性などについて紹介しています。
クアンタム(Qtum)とは?ビットコインとイーサリアムを合わせた仮想通貨
クアンタムは2016年12月19日に発行されたプラットフォーム・仮想通貨のことで、通貨単位はQTUMです。
2018年1月17日時点の価格は1QTUM=3,200円前後で、時価総額は約2,300億円、時価総額ランキングでは20位前後に位置しています。
クアンタムは、ビットコインの高いセキュリティを保ちながら、イーサリアムのスマートコントラクトを可能としているなど、仮想通貨の代表格であるビットコインとイーサリアムの良い点を組み合わせた仮想通貨であり、それぞれの課題も解消しています。
承認システムはProof of Stakeを採用し、Account Abstraction Layer、UTXOモデルなど他にもさまざまな特徴も持っています。
ブロック生成時間もビットコインのおよそ5分の1である約2分です。まだまだ取り扱いが少ない仮想通貨ですが、注目度は高く多くの資金も集めています。
クアンタムの誕生からの経緯やICO、発行枚数上限など
クアンタムは、Patrick Dai氏率いるシンガポールのQtum財団により開発され、エンジニアチームが実用化に向けて動き、早くから注目を集めていました。
クアンタムは初期に1億QTUMを配布しましたが、そのうち51%(5,100万枚)がICOで買われています。
クアンタムは以前から注目されていたこともあり、ICOの前にもAnthony Di Iorio氏(EthereumやJaxxBlockchain Interfaceの設立者)やStar Xu氏(OkCoinのCEO)、Xiaolai Li氏(BitFund創設者)など、さまざまな支援者から資金調達を行っています。
クアンタムの発行上限枚数は1億Qtumで、発行上限に到達すると年に1%上昇するようになっています。
Qtum(クアンタム) | |
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通貨単位 | QTUM |
公開日 | 2016年12月19日 |
発行上限枚数 | 1億QTUM(上限到達後は1%ずつ増加) |
取引承認システム | Proof of Stake |
承認時間 | 承認時間約2分 |
クアンタムは公開されたまだ1年程度の通貨であり、ビットコインやイーサリアムよりも多めの発行上限枚数で、上限に到達すると打ち止めではなく1%ずつ増加する仕組みとなっています。
Proof of Stakeで承認時間は約2分とビットコインより速く、イーサリアムよりも遅めです。
気になるクアンタムの特徴とは?どんなプラットフォーム・通貨なのか?
クアンタムは仮想通貨時価総額1位・2位のビットコインとイーサリアムのいいとこどりをしたプラットフォーム・仮想通貨です。
ビットコインのブロックチェーンを活用した高いセキュリティとイーサリアムのスマートコントラクトを組み合わせています。そのため、決済だけでなく金融取引や保険などの取引にも使うことができます。
また、クアンタムはイーサリアムのように分散型アプリケーションプラットフォーム(Dapps)の機能も備えていますので、さまざまなアプリケーションを実行することが可能ですし、他の技術への応用もできます。
ビットコインはスクリプト言語によりできることに限界があり、イーサリアムは便利ですがビットコインほど安定をしていません。
そこで、「ビットコインのメリット+イーサリアムのメリット」として開発された通貨がクアンタムです。
ビットコインとイーサリアムの特徴を活かすAccount Abstraction Layerを導入
クアンタムの特徴の1つにAccount Abstraction Layerの導入していることがあります。
アカウント抽象化レイヤーという意味を持ち、トランザクションシステムとブロックチェーンのシステムを階層で分けて仲立ちをします。
Account Abstraction Layerが、イーサリアムの仮想マシンとビットコインコアのUTXOモデルのブリッジの役割を果たすことで、それぞれが同じプラットフォーム上で動くことができます。
クアンタムは、Account Abstraction Layerを利用することで、ビットコインとイーサリアムの互いのメリット同士が邪魔し合わないようにし、高い機能を持つことができています。
UTXOモデルを採用。セキュリティも高くスピーディーな処理が可能
クアンタムはUTXOモデルを利用しているのも特徴です。
UTXOとはUnspent Transaction Outputの略で、日本語では未使用のトランザクションの出力と訳すことができます。UTXOモデルとは残高を計算する方法のことで、ブロックチェーンの二重送金リスクを解消するために採用されています。
UTXOでは、クアンタムをまとめて小切手として扱うため価格が変わりません。
1つのまとまり(小切手)となるので、金額の一部分や半分程度だけを途中で受け取ることもできませんので、高いセキュリティのもとやり取りが可能になります。
ウォレットで元々管理していたクアンタム(小切手)についても、使用済み・未使用のどちらかで判断されるなど、処理も簡単なため約2分で送金が可能です。
「ブロックチェーンの完成形」とも言える通貨クアンタム
クアンタムは、正にハイブリッド型ブロックチェーンであり、現時点でブロックチェーンの完成形とも言えるのではないでしょうか。
それくらい良いとこどりをして開発された通貨であり、拡張性のあるプラットフォームです。
クアンタムの値動き。700円前後から上昇し10,000円を超えるも1月に入って急落。
クアンタムの価格は公開直後は1QTUM=600〜700円前後で推移していました。
2017年7月には一時1,700円台に達しますが、8月にかけて400円台まで下落します。その後、9月には一時2,000円台に達し、10月〜12月初旬にかけて1,000円〜1,300円前後を推移します。
12月10日から価格が上昇し、15日には3,400円台、19日には7,600円台まで上昇します。
その後、6,000円台まで下落するものの1月6日に急騰して一時11,000円台に到達。
しかし、そこから急落しており1月18日時点で3,800〜4,000円前後まで価格が下げています。
日付 | 高値 | 安値 |
---|---|---|
2017/07 | 10.54 | 3.92 |
2017/08 | 18.71 | 6.45 |
2017/09 | 18.10 | 7.38 |
2017/10 | 12.39 | 9.95 |
2017/11 | 15.46 | 9.61 |
2017/12 | 67.56 | 11.23 |
2018/01 | 100.22 | 36.02 |