ビットコインは機能がほとんどなく、イーサリアムやネムに比べると使い道がない、と言われることがあります。この状況を打開すべくビットコイン2.0という取り組みが盛んにおこなわれています。
今回ご紹介することはビットコイン2.0と呼ばれるプロジェクトの1つであるカウンターパーティーです。通貨単位としてはXCPと表記されます。カウンターパーティーは、ビットコインのブロックチェーン上で独自トークンを発行したり、イーサリアムのスマートコントラクトをビットコインのブロックチェーン上で実行でき、大注目のプロジェクトです。
XCPとは
カウンターパーティーの特徴や機能を解説する前に通貨としてのXCPの概要を確認しておきましょう。
・XCPの概要
発行単位 | Counterparty(XCP) |
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呼称 | カウンターパーティー(エックスシーピー) |
発行総数 | 2,648,755 XCP |
公開日 | 2014年1月2日 |
価格決定方法 | 保有者間での自由売買 |
公式サイト | http://counterparty.io/ |
ホワイトペーパー | https://bitcointalk.org/index.php?topic=395761.0 |
取引所 | テックビューロ運営の仮想通貨取引所「Zaif」でのみ取引可能 |
カウンターパーティーは公開が2014年1月とかなり古く、ビットコイン2.0と呼ばれるプロジェクトの中でも最も実績のあるプロジェクトです。発行総数も少ないため、今後の価値の値上がりも期待されています。
また、現在Zaifでのみ取引できるというのも注目のポイントです。Zaifはビットフライヤーやコインチェックと比べて利用者が少ないため、今後Zaif以外の取引所に上場することで流動性が高まり、価格が上昇するかもしれません。
さて、そんなカウンターパーティーの特徴を3つの視点から見ていきましょう。
1. カウンターパーティーは何がすごいのか?
カウンターパーティーの最大の特徴は、独自トークンを誰でも発行できることです。トークンが発行できるということは、簡単に言うとオリジナルの仮想通貨が発行できるということになります。
独自のトークンを使って、資金調達したり、自分のブログを有料で配信することもできてしまいます。
カウンターパーティーは誰でも簡単にトークンを発行できるという点で、非常に注目されています。すでにXCPを利用して下記のトークンが発行されています。
- Zaif(仮想通貨取引所)のZaifトークン
- FISCO(国内企業)
- CAICA(国内企業)
- ペペキャッシュ
- ビットコインクリスタル
企業がすでに実際に利用しているということは、ビットコイン2.0のプロジェクトがどれだけ進んでいるのかが分かりますね。
2. カウンターパーティーは信頼できるか?
カウンターパーティーは信頼できる仮想通貨だと考えて問題ありません。マイナーなコインの中には詐欺まがいのコインもあるため注意が必要ですが、カウンターパーティーは金融庁のホワイトリストに入っているため、そのような心配がありません。
また、マイナーな通貨のブロックチェーンは技術的な問題が発生することもありますが、XCPはビットコインのブロックチェーンを利用しているので、安心して利用できますね。
3. カウンターパーティーのその他の特徴
カウンターパーティーの特徴として忘れてはいけないものとして、PoB(プルーフオブバーン)という仕組みがあります。
カウンターパーティーでは独自トークンを発行できますが、トークンを発行する際に、XCPを誰も利用していないアドレスに送付(バーン)する必要があります。トークンを発行するたびにXCPが失われていくことになるため、価値が相対的に上がっていくという期待もあります。
金融庁のホワイトリスト入り銘柄だから安心度は高い
先ほども少し触れましたが、カウンターパーティーは金融庁のホワイトリスト入り銘柄です。ホワイトリストとはブラックリストの反対の意味。金融庁が認可していない仮想通貨を取り扱っていると仮想通貨交換業者として金融庁に登録されません。
※ちなみに2018年1月に約580億円ものNEMを盗難されたコインチェックは未登録業者です。
金融庁が認可した仮想通貨交換業者登録一覧は以下から確認できます。
出典:仮想通貨交換業者登録一覧(PDF、2018年1月17日現在)
ですから、ホワイトリストに入っている仮想通貨は安心して利用できます。もちろん仮想通貨取引所のZaifはホワイトリスト入りしている銘柄しか上場させないことを今後の方針として持っています。
金融庁がホワイトリストに入れているということは、単に安心できるというだけではありません。2017年から2018年にかけて日本だけでなく世界中で仮想通貨やその取引の規制が加速しています。
しかし、ホワイトリスト入りした銘柄は大規模な規制を受ける可能性は低いとみていいでしょう。金融庁がホワイトと認定した仮想通貨を規制してしまえば、自らの判断の誤りを認めることにもなってしまうからです。
ホワイトリスト入りしている通貨を積極的に扱いたい取引所は多いため、今後はZaif以外にの取引所への上場も噂されています。そうなれば、ますますXCPの価格も上がることが容易に想像できますね。
メジャーアルトコインと比べて発行数が少ない
カウンターパーティーではXCPをバーンすることで独自トークンを発行できます。実は、XCP自身もビットコインをバーンすることで約260万枚を発行しました。この260万枚というのは、発行枚数としてはかなり少なく、カウンターパーティーはデフレ通貨と呼ばれています。
どのくらい少ないかを確認するために、メジャーな仮想通貨の発行枚数と比較しておきましょう。
ビットコイン | 2100万枚 |
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リップル | 1000億枚 |
ネム | 約90億枚 |
ライトコイン | 8400万枚 |
モナコイン | 1億512万枚 |
XCP | 260万枚 |
まさに、ケタ違いに少ないですね。人気のアルトコインであるリップルやネムと比べると単位すら違いますね。さて、発行枚数が少ないとどんなことが起こるでしょうか?発行枚数が少ないと相対的に通貨の価値が上がります。
例えば発行枚数100枚の仮想通貨Aと発行枚数500枚の仮想通貨Bを考えてみます。
AとBの時価総額が共に1万円だとしましょう。それぞれの1枚当たりの価格を計算してみます。
仮想通貨B:10,000÷500=20円
発行枚数の少ないAの方がBよりも1枚あたりの値段が高くなりますね。このように、発行枚数の少ない通貨は相対的に通貨の価値が高くなります。ただし、すべての通貨の時価総額が同じになることはありえないので、あくまで例として考えてくださいね。
XCPトークンの買い方・購入手順
カウンターパーティーの仮想通貨であるXCPトークンの購入はZaifでのみ可能です。Zaif以外の取引所への上場の噂はありますが、2018年1月時点では唯一ZaifのみがXCPの取引をしています。
具体的な購入手順は以下のとおりです。基本的にはどの通貨を購入する場合も同じ手順で購入できます。これからZaifを利用するという人はここで慣れておくといいかもしれませんね。
ステップ1:Zaifにログインして取引画面に移行します。
ステップ2:取引通貨選択で「トークン」「XCP/JPY」を選択します。
ステップ3:下図のように
①注文価格
②注文数を入力して
③「買い注文」ボタンの順で進むと注文完了です。
Zaifでのトークンの売買は、販売所ではなく取引所での取引になります。そのため、板情報を見ながら注文を出す仕様になっています。
初めての人には難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると板情報を利用して自分の思い通りの取引ができるようになります。
購入したXCPはウォレットで管理するのが安全
XCPの最大の特徴は独自トークンを発行することです。トークンの発行を行うためには専用ウォレットの使うのが簡単です。XCPのウォレットはスマホ(iOS/Android)、パソコンからも利用できる「Indie Square wallet」を使うといいでしょう。
なお、独自トークンの発行を予定していなくても、安全面からも、ウォレットに移して管理することをおすすめします。購入した仮想通貨は、取引所ではなくウォレットで管理、を心がけましょう。
Indie Square walletの使い方の基本は他のウォレットアプリと同様です。アカウントの作成時のパスフレーズは必ず紙にメモするなどオフラインで保管するようにしてください。
スマホ版でもパソコン版でも独自トークンを発行することができますが、送金などにかかる手数料はビットコインでの支払いになります。Indie Square walletを利用するためにはXCPの他にBTCを入金することを覚えておきましょう。
XCPの価格推移とチャートの形状
XCPの値動きを見ると、かなり急激な伸びを見せていることが分かります。しかも、他の通貨が値下がりしている局面で値上がりするなど、独特の動きをしています。XCPが非常に実践的で「使える」通貨として評価されていると考えられます。
XCPは2017年11月後半から12月にかけて2,000円台から4,000円近くまで値上がりしました。
さらに注目すべきは2018年に入ってからの急激な価格上昇です。2週間で4,000円以下から一気に12,000円まで3倍以上の値上がりを見せています。
この時期、他の仮想通貨は値下がりをしていることから、XCPの価格が他の通貨にあまり連動していないことが分かります。また、この価格上昇は2月28日に予定されているハードフォークに対する期待の値上がりとも考えられています。
2018年1月中盤以降は急騰からの反動で7,000円台まで値下がりしました。それでも4,000円弱からは1.5倍以上になっています。
2017年は仮想通貨元年と呼ばれるようになりましたが、2018年はトークンエコノミー元年ともみられています。トークンエコノミーの先頭を走る仮想通貨の1つとしてカウンターパーティーが注目されているのです。
価格上昇が期待できる材料
ここまで見てきたようにカウンターパーティーの将来性はかなり有望だと言えそうです。カウンターパーティーの将来性はそのままXCPの価格上昇への期待になります。ここでXCPの価格上昇の有効な材料になりそうなものをまとめておきましょう。
- 発行枚数が少なく、PoBで相対的な価値は上昇していく
- トークンエコノミーの広がりと共に、XCPの実需が増える
- 金融庁のホワイトリスト入りで規制の対象にならない
- 2018年2月28日にハードフォークが予定されている
XCPはそもそもの発行枚数が260万枚とかなり少なく、利用すればするほどバーンされて枚数は減っていきます。今後、だれもが気軽にトークンを発行し、様々なものに価値を見出していく経済、トークンエコノミーが広がっていけば、XCPの枚数はさらに減っていくでしょう。そうなるとXCPの価格はさらに相対的に上がっていくことになります。
あくまで予定ですが、2月28日にハードフォークが実施されることになれば、ビットコインとビットコインキャッシュのようにハードフォークした通貨の値上がりも期待できます。そのため、ハードフォークの情報が広まれば多くの人がXCPを求めて価格が上昇することもあるでしょう。
さらに、金融庁のホワイトリスト入りというのは、かなり安心感があります。仮想通貨を投資と考えると、安心感はかなり重要な要素です。安心して投資できる仮想通貨としてホワイトリストの仮想通貨に積極的に投資する人も多くなるでしょう。
以上のようにXCPは今後もさらに値上がりする材料がそろっています。まずはハードフォーク、その後はトークンエコノミーの広がりによってXCPの価格がどこまで上がるのか、楽しみですね。
想定される下落リスク(材料)と心配事
当然ながら、カウンターパーティーにもリスクが存在します。XCPを購入する上で想定しておいたほうがいいリスクには主に3つあります。
ビットコインのブロックチェーンに関するリスク
カウンターパーティーはビットコインのブロックチェーンを利用した金融プラットフォームです。そのため、ビットコインが持っている問題はそのままカウンターパーティーでも問題になります。
例えば、ビットコインで送金つまりが起こるとカウンターパーティーも影響を受けます。また、
カウンターパーティーのサービスに関するリスク
カウンターパーティーの金融プラットフォーム上で何らかの障害が起きた場合、自分が発行した独自トークンも影響を受けてしまいます。独自トークンを利用して商売をしたり、ビジネスを展開する場合、その影響は計り知れません。
ビットコインのオリジナルブロックチェーン上ではなく、あくまでカウンターパーティーのプラットフォーム上でのサービスであるため、カウンターパーティーのサービスに関するリスクも負うことになります。
カウンターパーティがサービスを停止した場合のリスク
万が一の場合を想定するのがリスク管理です。カウンターパーティーがサービスを停止した場合、XCPやXCPを使って発行したトークンがどのような扱いになるのかは分かりません。最悪の場合、XCPの価値の裏付けがなくなったと判断され、価値が暴落することも考えられます。
何事にもメリットとデメリットがあります。その両方をしっかりと理解することが仮想通貨取引の最初の一歩です。
考えられる使用用途
XCPはトークン発行の金融プラットフォームとして実績を上げている仮想通貨です。その最も成功している例が、仮想通貨取引所ZaifのZaifトークンでしょう。Zaifを運営するテックビューロ社はZaifトークンを発行することで資金調達しました。
さらに、XCPを使って多くの個人がトークンを発行しています。XCPを使って発行したトークンは非中央集権型取引所(DEX)で取引することもできます。
今後は、会員証や寄付、自分のブログの購買権などとして独自トークンを発行する人はますます増えていくでしょう。注目したいのは、むしろ企業よりも個人でのトークン発行がどれだけ進むか、です。
個人によるトークン発行が盛んになれば、トークンエコノミーは発達していきます。トークンエコノミーが発展するにつれてXCPの価値も上がっていくわけですから、積極的にトークンを発行していろいろな使い方を考えてみるのもいいですね。
まとめ
カウンターパーティーはビットコイン2.0と呼ばれているプロジェクトの1つです。XCPをバーンすることによって独自トークンを発行できる機能が最大の特徴です。
今後はトークンを利用したトークンエコノミーの発展が予想されており、カウンターパーティーの果たす役割は非常に大きなものになりそうです。
単なる投資ではなく、新しい経済の仕組みづくりに関わることができるという点で、カウンターパーティーはおもしろい仮想通貨と言えます。
執筆時ではZaifでしかXCPを購入できませんが、他の取引所にも上場することで、XCPの価格が上昇するとともに、トークンエコノミーが発展していくのが楽しみです。