2018年1月12日、カナダのKFC(ケンタッキーフライドチキン)が非常にユニークなプロモーションを開始したことで話題になっています。
ケンタッキーフライドチキンは定番のオリジナルチキンBOXやクリスピーセット等の他に、とりの日パックやムーミングッズ付きスマイルセットなどタイムリーな限定メニューを続々とリリースしていることで有名です。
今回Kentucky Fried Chicken Canada Company(ケンタッキーフライドチキン・カナダカンパニー)が発売したのは、世界的な仮想通貨ブームに便乗したキャンペーン商品。その名も、「Bitcoin Bucket(ビットコインバケット)」!ビットコイン決済のオンライン注文のみで購入できる限定商品のリリースに、世界中のKFCファンが沸いています。
Bitcoin Bucket(ビットコインバケット)について
ビットコインバケットは、KFCカナダが自社Webサイト”Colonel & Co.”にて発売した期間限定商品です。10個のチキンテンダー、フライドポテト、サイドディッシュにグレービーソースとディップソースが付いてくるお得なセットで、家族や友達と一緒に食べるのにちょうど良いくらいのサイズとなっています。
「ビットコインの価格が乱高下しようと、Colonel Sanders(カーネル・サンダース)のオリジナルレシピはいつも最高です。あなたの持っているビットコインを、指までしゃぶりたくなるような美味しい商品に投資してみませんか。」
というキャッチコピーが付いていて、KFCカナダの遊び心が伝わってきます。
また、KFCカナダはツイッターにて、以下のようなツイートを投稿しています。
KFC Canada presents The #Bitcoin Bucket. Sure, we don’t know exactly what Bitcoins are, or how they work, but that shouldn’t come between you and some finger lickin’ good chicken. https://t.co/2OKuCHk5Hb pic.twitter.com/UwaduB8toi
— KFC Canada (@kfc_canada) 2018年1月11日
「我々はビットコインという物が何なのか、どのように動作するのか、全く把握しておりません。しかし、そんなことは顧客と良質な商品との結びつきに影響を及ぼすものではないでしょう。」
意外に思われるかもしれませんが、海外のKFCはいち早くビットコイン決済を取り入れたり、VRゲーム機を使って従業員を教育したりと、最新のテクノロジーを積極的に取り入れています。今回リリースしたビットコインバケットも単なるパフォーマンスではなく、投機目的で仮想通貨を購入する人々があまりにも多いので、もっと支払い手段としても有効活用してほしいというアピールも兼ねているようです。
Bitcoin Bucket(ビットコインバケット)の購入方法
おそらくこのニュースを見た多くの方が、自分もビットコインバケットをオーダーしてみたいと思ったことでしょう。ビットコインバケットの注文は、Colonel & Co.の商品ページで受け付けています。
- 配達日時と数量を確認したら、”ADD TO CART”をクリック。なお、ビットコインバケットは限定品なので、Quantity(数量)は1個しか指定できません。
- ”Check Out”ボタンをクリックすれば、カスタマーインフォメーションページに移動します。
- メールアドレスと氏名・住所・電話番号を記入して、"Continue to shipping method(発送方法)"をクリック。
- "Continue to payment method(決済方法)"をクリック。
- “Complete Order”をクリックすれば注文完了です。(20カナダドルの他に、消費税1カナダドル+配送料5カナダドルの手数料がかかります。)
- bitpay経由で計26カナダドル分のビットコインを送金。全手続きが完了したら、指定した住所にビットコインバケットが配達されます。
なお、Colonel & Co.の配送はカナダ国内にしか対応していません。海外発送は受け付けていないため、残念ながら日本在住のトレーダーはビットコインバケットの購入を諦めざるを得ないようです。
世間の反応
ビットコインバケットは発表当初から非常に世間の関心を集め、発売からわずか数時間で売り切れてしまいました。
KFCカナダはこの事態について、
#BitcoinBucket is currently sold out. There will be a restock tonight. We’re mining for more as fast as we can.
— KFC Canada (@kfc_canada) 2018年1月12日
「ビットコインバケットは現在売り切れ中です。今晩、在庫を仕入れ直します。可及的速やかに”マイニング”いたします。」
とジョークツイートを飛ばしており、プロモーション効果が抜群だったことがよく分かります。
また、仮想通貨を保有している投資家の中には、「アルトコインでも決済できるようにしてほしい」と現実的な要望を出している方が少なくありません。
今やビットコインは取引量増大により送金処理がシャレにならないほど遅延している始末。決済ツールとして見限る人が増えていることもあって、KFCカナダは将来的にアルトコインでの決済も検討しているそうです。もしもKFC専用の仮想通貨がリリースされたら、外食業界への関心がさらに高まることでしょう。
KFC altcoin name suggestions: ColonelCoins? SanderDollars? #BitcoinBucket https://t.co/QUTJN809H5
— KFC Canada (@kfc_canada) 2018年1月11日
海外のネットユーザーの反応
- これ……、冗談だろ?マジでやってんの?
- ライトコインで支払える「アルトチキン」が欲しいね。
- これを買おうとしている連中は、20カナダドル分のビットコインを決済するためにどれだけ高額な送金手数料を支払わなければならないか良く考えた方がいいぞ。
- リップルとかのアルトコインの方が絶対良いよね。
- 同感だ。リップルの方が圧倒的に送金処理が速い。ビットコインはもはや時代遅れだ。
まとめ
今回のKFCカナダのキャンペーンは会社の株価にはあまり影響を与えていないようですが、世間の反応的には大成功と言えるのではないでしょうか。
もともとビットコインは電子マネー決済用のシステムであり、キャピタルゲイン目当ての投資家の介入によって乱高下する状況はあまり好ましくありません。東京都内でも「鉄板焼 MADOy ‐OKIDOKI‐」や「懐石割烹 輝(きらり)」、「吉祥寺聘珍樓」などビットコインが使える飲食店が増えてきていますが、仮想通貨バブルが収まるまでほとんどの人は決済ツールとして使用しないでしょう。ビットコイン発案者のサトシ・ナカモト氏は今の世の中をどんな気持ちで見ているのか、非常に気になるところです。
ちなみに2018年1月現在、日本国内のケンタッキーフライドチキンでは現金やクレジットカードの他にWAON、nanaco、楽天Edyなど各種電子マネーが使えるものの、仮想通貨決済には対応していません。
日本KFCホールディングスの株価が2,000円前後で推移している中、こういうユニークなプロモーション企画を実施してくれたら市場の取引材料になって面白いと思うのですが、いかがでしょうか。(笑)